八王子で4月から、商店主が中心となって制作した街のイラストマップが次々に発行されている。

「八王子北口周辺いい店あるじゃんかMAP」を制作

　八王子駅北口では西放射線通り商店街（ユーロード）で靴店「うさぎや」（八王子市三崎町4）を営む店主・小俣能範さんらが、これまで配布していた無料地図をリニューアルする形で、「八王子北口周辺いい店あるじゃんかMAP」を制作。昨年9月にオープンしたアトリエ・カモミール（万町）を拠点に活動するアーティスト・Yamamoto Harucaさんがイラストを担当した。

　小俣さんが店を開いた20代の当時、客向けに配っていたものをルーツとするこの地図。周囲の声を受け、2000年代に復活させた。「八王子の店は外から見て分からなかったりするところも多いので、魅力のある店を紹介しようと思った」と小俣さん。個人経営の店にフォーカスを当て、街の変化に合わせてバージョンアップしながら、これまでに15万部以上を配布。「今回、若い力を入れてもう一回作っていただいた」と話す。

　昨年11月ごろから準備を始め、小俣さんらが紹介する店を選定。その後、Yamamotoさんが制作に入った。「前に小俣さんが作った地図を持っていて、こういう地図を作ってみたいと思っていたので、依頼されてとてもうれしかった」とYamamotoさん。高校時代から10年以上八王子に住むが、知らなかった店も多かったという。

　「個性豊かなさまざまな店があるので、地図を作りながら勉強になった」とYamamotoさん。一言コメントと共にパンやそば、ワイン、ケーキなど店の特徴を示すイラストを加えたほか、「色味やパッと見て楽しくなるよう、ちょっと個性を出して非現実的なものも入れてみた」とも。

　「これまで駅ビルで買い物していた方が街へ出てくるようになっていて、自分に合った店を探し出すようになっている」と小俣さん。「ここに出ている店は活性化しているところ。よその町に行ったら絶対にない店がある。これが八王子のオリジナリティー」としたうえで、「人によって使う店は違うと思う。店を自分で見つけ、魅力を探して歩くルートを自分で作ってもらえるといい」と話す。

　西八王子駅北口周辺では、文具の大洋（千人町4）、生花店のアモーレフィオーレ（千人町2）が中心となり結成された「西八もりあげ隊」が企画して、「西八春散歩地図」を4000部制作。4月30日まで参加各店で実施するスタンプラリーと連動し、地元の店を紹介する手書きの地図を配布している。

　「八王子北口周辺いい店あるじゃんかMAP」の初版は2万部。地図は「うさぎや」などの商店で配布する予定。