ケーブルテレビ局「JCNテレメディア」(八王子市旭町)は6月15日から、防災行政無線を使って発表された情報をコミュニティーチャンネルのデータ放送で配信するサービスを始める。
配信する情報は市生活安全部防災課が発表するもの。災害時のほか防災訓練の開催告知など日頃の災害対策に関する情報も提供されており、地域の防災行政無線のほか、市のホームページやメールマガジンなどを通じて市民に提供。4月からは電話自動応答システム(TEL 042-620-7397)でも確認できるようになった。
今回はデータ放送を配信するためのコンテンツ制作・管理システムを活用し、市に無料でプラットフォームを提供。担当者がブラウザー上から情報を入力するとテレビ画面に表示される仕組みで、同局では11チャンネル「JCNプラスチャンネル」のデータ放送の中で配信する。
1ページ192字まで、最大5ページまで配信可能。発表中は画面下部にスクロール表示されるほか詳細を確認することもできる。「市には防災メールの実績がある。内容としては基本的に、あそこで使われているものがベースになる」と同社放送サービス部の遠藤さん。「これからの季節だと『熱中症に気をつけましょう』などの情報も流れると思う」
東日本大震災以降、同社が加盟するケーブルテレビネットワーク「JCN」全体で、いかに災害情報をスピーディーに伝えるかが課題になったという。「防災無線はなかなか聞こえにくいという話がある」と遠藤さん。「地デジではボタン一つで付加情報を呼び出せるデータ放送がある。それを使ってよりスピーディーに情報を出せる。行政としてもいろいろな手段で伝えたいという思いがあるので、ニーズが一致した」と話す。
市にはゴールデンウイーク明けに話を持ちかけた。「伝える手段が増えるということで評価は高かった」と遠藤さん。「ケーブルテレビの普及度や利便性を評価していただけたのでは」とも。
広域八王子圏では八王子のほか、日野ケーブルテレビ(日野市)でも同日よりサービスを開始。中野区、千葉県千葉市、市川市、船橋市、習志野市の各JCN加盟ケーブルテレビ局でも対応する。