今年1月まで八王子市長を務めた黒須隆一さんが現在、秋田県大潟村で行われている「ワールド・グリーン・チャレンジ2012」の「ソーラー&FCカー・ラリー」に、ドライバーとして参戦している。
2000年から3期にわたって市長を務めた黒須さん。過去、レーサーとして耐久レースなどに数多く出場してきた経験を持つ。今回は昭和第一学園高校(立川市)の自動車研究部に「TEAM KUROSU」として協力。同部が開発したソーラーカーのドライバーの1人として参加することになった。
同校は毎秋、西八王子を中心に開催されている「交通安全クラシックカーパレード」に協力。同パレードの実行委員長を務める黒須さんともつながりがあった。クラブ活動としてソーラーカーのプロジェクトを進めていることから、「私が昔、レーシングドライバーをやっていたことも皆さん知っており、ぜひという話になった」と黒須さん。「性格的になんでも興味を持つタイプ。二つ返事で『参加させて』と応えた」
今回のレースでは、全長5メートルのソーラーカー「デイ&ナイト チャレンジャー」で挑戦。今年で70歳を迎えた黒須さん。レースには28日に行われた車検の段階から参加し、テストドライブも行った。「見た目には人が乗っているようには見えないが、なかなかいい」と手応えを感じたという。
本戦は29日の午後から開始。3日間合わせて24時間以内にどれだけ周回を重ねられるかを競うもので、黒須さんは1周約25キロのコースを1日4~5周している。「初めての経験だが、すごく楽しみながらやっている」と黒須さん。「学生の中には1年生もいて、右も左も分からない子もいるが、彼らは一所懸命走らせるために努力をしている。それに応えたい」と意気込む。「若い人と一緒にやるのは楽しくていい」とも。
運転中のパンクや横風にあおられるなど問題もあったが、「従来の石油系の燃料を使わないで、あれだけの走りができるというのは大したもの」。速度も平時では60キロ台をキープしているという。レース最終日となる31日はチームのファーストドライバーを務める予定で、「楽しいの一言に尽きる。来て良かった」と笑顔で話す。
同イベントは毎夏に大潟村ソーラースポーツライン(秋田県大潟村)で開催。「ソーラー&FCカー・ラリー」の前進となる「ワールド・ソーラーカー・ラリー」から数えて20回目を迎えた。広域八王子圏からは工学院大学のソーラーカープロジェクトなども出場している。