八王子を中心に活動する若手デザイナーユニット「TRICKY(トリッキー)」(八王子市子安町1)が発行するフリーペーパー「idolTRICKY(アイドルトリッキー)」が3月、創刊から30号を迎えた。
同ユニットは、2009年春から活動。イベントの企画やリーフレット、ポスター、看板などのデザイン、ホームページの制作などを手掛ける。
同誌は2010年4月に創刊。市内を中心に興味を持った店や場所、人などを紹介しており、ジャズ喫茶「はり猫」(旭町)や特注のバンズを使ったハンバーガーで有名な「JUNK'y Guild」(子安町1)、ギャラリーカフェ「MODESTE」(元横山町3)など個店を数多く取り上げている。
3年間にわたって八王子の街を見続けてきた同誌。毎回1店舗を特集しており、「お客さん目線で自分たちが良いと思うものを載せるようにしている」と代表を務める中村文子さん。日頃から八王子全域で気になる店をチェックしており、アトリエに近い八王子駅南口については、新しく店を始められる土壌がある上に、「面白い人たちも来やすい場所。個性的な店が多いので、そこに引き寄せられていくのでは」と話す。
同誌の制作作業は、他の仕事に先行する形でスケジュールに組み込んでおり、取材・撮影から紙面のレイアウトなど、全てを自分たちでこなしている。時には取材先の店で飲みながら構成を考えることも。「趣味全開で、かなり時間をかけて作っている」と中村さん。制作の際にはデザインにも力を入れており、「お店の個性を引き出すために努力している」という。「やり過ぎなくらいでちょうどいい」とも。
現在は隔月で発行。3月1日に発行された最新号では30号を記念して、これまで取り上げた全店を、店主の姿と合わせて一挙に紹介した。「全店舗取材し直したので、感慨深い」と中村さん。 「研究して新しいことに挑戦するお店が多い」とした上で、「お店の進化も結構あったし、店主の人柄も大きいので、その姿を出したかった」と話す。市内では市役所や八王子市芸術文化会館(いちょうホール、本町)、八王子商工会議所などのほか、東京造形大学や飲食店など約80カ所で配布しているが、「今回は評判が良いので、入手されたい方は急いで」と呼び掛ける。
市外では真木テキスタイルスタジオ(あきる野市)、旅の本屋のまど(杉並区)などでも配布。無料。