「八王子のソウルフード」をうたう「パンカツ」を広く一般に普及させようと10月1日、市内の有志らが「日本パンカツ協会」を設立した。
パンカツは、食パンの表面に水で溶いた小麦粉をつけ、さらにパン粉を付けてラードで焼き上げた後、ソースをかけて仕上げた食べ物。戦後の食料不足の時代にパンをカツに見立てて生まれたとされ、八王子では駄菓子屋などでも販売されていたという。
これまでJCN各局で放送されているバラエティー番組「逸品刑事」を通して、「パンカツ」を八王子から広めようとする活動が進められており、今夏の「八王子まつり」と併せて開催されたイベント「キャンぱちフェス」の場でも「パンカツ」の販売コーナーが設けられ盛況だった。今回は、さらに一般にも「パンカツ」の魅力を知ってもらおうと同協会を設立。公式ホームページやツイッター、フェイスブックなどでの情報提供も始めた。
同協会の結成を受け、「パンカツで八王子をつなげたい」と会長を務める「パンチョK」ことカトウ洋品店(八王子市八日町)の加藤さん。「年を重ねた方には懐かしい、若い方には新しい食べ物。『ニューひもじさ』が売りかもしれない」。パンカツが歩んできた歴史的な経緯は「ほとんど分かっていない」としながらも、「油と粉と粉。今となってはこんなに体に悪いものはないのかもしれないが、これがいい」と話す。
今月9日には、パンカツも提供している、お好み焼き店「やまと」(元横山町2)に同協会関係者らが集まり、「パンカツを食べる会」を開催。鉄板を使ってパンカツを焼き上げる際には、「パンは6枚切りがいい」「パンカツの決め手はラード」「意外にもパンカツは軽く食べられるので、お好み焼きの前に食べるのもいいかも」など、さまざまな熱い意見が交わされた。
今後、今月13日・14日に東京工科大学(片倉町)と日本工学院八王子専門学校(同)で行われる「紅華祭」の場に同協会公認の屋台が登場するほか、今月20日に八王子駅近くのみずき通りで開催されるイベント「秋のみずき通りフェスティバル」でも食べられる場を設けようと調整を進めており、「パンカツの普及に全身全霊を尽くす」と加藤さん。八王子をベースに活動するアイドルユニット「8princess(エイト・プリンセス)」を同会公認アイドルに据えて活動を進めるなど、「八王子から外へどんどん広げていき、ゆくゆくは世界の皆さんにも味わってもらいたい」と意気込む。