工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「ソーラーカープロジェクト」は10月16日、オーストラリア大陸約3000キロをソーラーカーで縦断する「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ(WSC)」を終え、日本に帰国した。
今月6日から行われた同大会。オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまで約3000キロを走破するもので、今回は23カ国40チームが参戦。同プロジェクトが参加するのは今回が初めてとなる。
新たなレギュレーションに対応したソーラーカー「Practice(プラクティス) 驍勇」を用意して挑んだ今大会。9月下旬には先発隊を送って、コースを逆にたどるなど準備も入念に進めていた。今月5日に行われた予選では、クラス2位のタイムを記録。本選には2番手スタートという好位置から臨んだ。
予選でのスピンが響き、20番手スタートとなった東海大学が初日に順位を大幅に上げるなど序盤から熱戦が繰り広げられた今大会。同プロジェクトも大会初日を9位で終えるなど力走を見せていたが、大会2日目、スタートより約470キロ地点から、2つ目のコントロールストップ「ダンマラ」の閉鎖時間に間に合わないと判断。ソーラーカーを輸送する運搬トラック(トランスポーター)の力を借りる事態に。厳しい自然環境や数々のアクシデントもあり、大会3~5日目もトランスポーターの力を借りたが、大会6日目に当たる今月11日午後にはゴールであるアデレードに到着。約3000キロのコース中、「Practice」の公式自走記録は2450キロとなった。
今回の結果を受け、「世界の舞台をもう一度目指す」とプロジェクトの監督を務める同大機械システム工学科の濱根洋人准教授。学生メンバーを代表するチームリーダーの齊藤翔さんも、「このチームはまだまだ成長できる。次回は必ずトップに」と意気込みを隠さない。
同プロジェクトが参加した「チャレンジャークラス」では、オランダのソーラーカーチーム「Nuon Solar Car Team」が33時間3分の記録を残して優勝。国内勢ではクラス3連覇がかかっていた東海大学が36時間22分で2位に入り、大会を終えている。