八王子市は、JR八王子駅から伸びるペデストリアンデッキ「マルベリーブリッジ」の西放射線通り商店街(ユーロード)通り側への延伸計画などを2016年度予算案の中に盛り込む。
マルベリーブリッジの延伸に向けた計画が進むことになった「八王子東急スクエア」周辺
予算案は石森孝志八王子市長が2月11日、定例記者会見で発表したもの。予算規模は一般会計が過去最大となる1,986億円、予算総額は2015年度より11.6%伸び、4,098億円となった。
今回の予算案では、マルベリーブリッジを八王子駅前のショッピングセンター「八王子東急スクエア」(八王子市旭町)に接続し、三井住友銀行八王子支店(旭町)周辺にエスカレーターやエレベーターなどを整備することを目指して、実施設計を行うために7,700万円を計上した。2017年末の工事開始を見込んでおり、早期の完成を目指す。
「ビル側からも強い要望があるし、駅周辺の商店街からも早く進めてほしいという好意的な声がある。将来的には周囲を円状につなげたいが、まず先に東急スクエア側から着手していこうということになった」と石森市長。
現状について「いろいろ意見な基にしたところ、バス停にしか降りられないデッキになってしまった。私も使い勝手が悪いデッキだと思っている」とした上で、「できるだけ早くやりたいと思うが、旭町・明神町の再開発も進んでいくので、そこに向けて伸ばすことも考えていきたい」と述べた。具体的な完成時期については「何とも言えない」とした。
ユーロード周辺では、今夏以降、同所で行われるイベントと連携してオープンカフェも行う方針。「毎週のようにイベントが行われている場所なので、今年は20回くらいやっていきたい。状況を見ながら常設化に向けていきたい」。沿道と通り沿いにある三崎町公園・中町公園・横山町公園の一体的な整備に向けた予算付けも行った。
「公園の周りには車止めなどがあり、道と公園の間をなかなか行き来できないので、それを一体として整備したい。道路と公園を一体的に使うことで、オープンカフェやイベントの会場にできれば」。駅周辺については観光客などの利便性向上に向け、八王子駅北口の一部に無線LANを整備するための予算もつけた。
2017年に市制100周年を迎える八王子。2017年9月から1カ月にわたって行う「全国都市緑化フェア」の開催に向け、富士森公園(台町)をはじめとした施設の改修を進めるほか、コニカミノルタサイエンスドーム(大横町)のリニューアル、老朽化した八王子市郷土資料館(上野町)に代わる施設の基本計画の策定など100周年記念事業も数多く展開していく。
そのほか、妊婦全員を対象に専門職が面談などを行い妊娠期から支援する「八王子版ネウボラ」事業を新たに立ち上げるほか、圏央道・八王子西インターチェンジについて、非ETC搭載車も通行可能なフルインター化に向けた取り組みも進めていく方針。
石森市長は今回の予算案について「100周年という大きな節目の前年として、いろいろな事業が動き出してきた」と意気込む。