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八王子で造形作家・池内啓人さん個展 パソコンのジオラマなど紹介

話題を呼んだパソコンをベースとしたジオラマも展示

話題を呼んだパソコンをベースとしたジオラマも展示

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 西八王子駅北口近くの丸神ビル2階にあるギャラリー「AKITEN BASE CAMP GALLERY」(八王子市千人町2)で現在、造形作家・池内啓人さんの個展が開催されている。

ウェラブルガジェットも手掛けている池内さん

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 1990年生まれの池内さん。多摩美術大学情報デザイン学科の卒業作品として発表した、パソコンとプラモデルを組み合わせたジオラマ作品が話題となり、2013年の文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞。オーストリアで行われているメディアアートイベント「アルスエレクトロニカ」にも招待されたほか、今夏にはデジタル写真集「東京ガジェット少女」シリーズ(インプレス・クイックブックス刊)で造形を手掛けるなど注目を集めている。

 短いものでも1カ月は制作にかかるというほど手が込んでいる池内さんの作品。市販の機械やプラモデルなどの部品を分解・改造し、ジオラマとして再構築したもので、中にはイヤホンを始めとしたウェラブルガジェットもある。今回の個展では、これまで制作してきたほぼすべての作品が展示されており、手にとって楽しむこともできる。

 池内さんが、NPO法人「AKITEN」が同ビルの空きテナントを使って設けたアーティスト・イン・レジデンスの最初の所属アーティストとなったことから個展の開催が決定。自らの手で部屋の改装を進めるなど空間づくりから準備を進めてきた。雑居ビルの一部屋ということで「いろいろなテナントがある中で、1カ所だけ白壁にしろ白机があるという空間が面白いと思ったので、今回は自分の作品を美術作品としてしっかりと展示した」と池内さん。

 1日に13時間ほど作業に取り組んでおり、部屋全体をジオラマの舞台と捉えた作品作りなどを進めているという。「昔からの友人も住んでいるし知っている場所もある八王子は魅力的」とも。「部屋を作ろうと思ったら1人ではできないので、この場所でいろんな人とお会いして、一緒にやってみたい」と意気込む。

 池内さんについて「自信を持って評価していただける作家」と「AKITEN」代表の及川賢一さん。「AKITENは今までいろいろなアーティストと一緒にやってきており、和も広がってきた。(アーティスト・イン・レジデンスという場が)アーティスト同士をつなぐハブになれるのでは」と期待を込める。

 池内さんも「今まで全部1人でやっていたので視野が狭かった」としたうえで、「アトリエをシェアすることで、いろんなジャンルの方が集まって、一緒にできることがあると思う。良い刺激になるのでは」と期待する。「どうやったらお金になるのかといったビジネスの面や社会性などについては美大でも教えてもらえないので、作家の周りをサポートできる体制ができると、皆さんに喜んでもらえるのでは」とも。

 開催時間は14時~19時。入場無料。8月28日まで。

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