JVC・ケンウッド・ホールディングス(横浜市神奈川区)は6月11日、同社の子会社である日本ビクターとケンウッド(八王子市石川町)のホームオーディオ事業のうち、販売を除くすべての機能を7月1日付けで統合すると発表した。
同社は昨年10月、経営統合後の日本ビクターとケンウッドの持ち株会社として誕生。しかし、景気悪化や予想以上の円高の進行などの要因により、経営統合初の決算にあたる今年度3月期決算では経常損失が68億円、純損失で168億円という赤字に陥っていた。
「長期的な市場縮小傾向の中で、両社の課題であるオーディオ事業に対して、従来からさまざまな形で構造改革に取り組んできた」と同社。昨年12月にはケンウッドが新会社「ケンウッド・ホームエレクトロニクス」を設立してホームオーディオ事業を分社化。ビクター側も不採算だったモデルの削減などを行っていた。
今回の事業統合では、ビクター、ケンウッドのそれぞれのブランドは維持。ビクターブランドの製品についてはビクターAVシステム事業部が、ケンウッドブランドの製品についてはケンウッド・ホームエレクトロニクスが販売を担当する。企画、技術開発、マーケティング、品質保証など販売以外の各機能については、そのすべてをビクターのAVシステム事業部に統合。生産もビクターのマレーシア工場に集約し、アウトソーシング先も共有化を図る。
同社では、「両社の持つ国内外の販売力を生かすとともに商品の共同開発やラインアップ強化へ取り組むことにより、今後の新たな成長と事業の黒字化を目指す」としている。