
プロバスケットボールB3「東京八王子ビートレインズ」が10月21日、2026年秋に開幕する新シーズン「B.LEAGUE ONE(ワン)」への参入を発表した。
日本の男子プロバスケットボールリーグは現在、「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)」(文京区)が運営するB1・B2と、「ジャパン・バスケットボールリーグ(JBL)」(文京区)が運営するB3から成るが、JPBLは「B.革新」とうたって、2026年にこれを再編。「B.PREMIER(プレミア)」「B.LEAGUE ONE」「B.LEAGUE NEXT(ネクスト)」の3カテゴリーとし、全てをJPBLが運営する。
リーグ再編時点で「B.LEAGUE ONE」への加入を目指していたビートレインズは、同カテゴリーへの仮入会には「2023-24、2024-25シーズンの平均入場者数が1500人以上」「2024年度の売上高が2.5億円以上」などの審査基準を満たさなければならなかったため、ホームゲームの平均入場者数を1500人、総来場者数を3万9000人を目指す「39000プロジェクト」を立ち上げるなどさまざまな取り組みを進めてきた。
JPBLは今回、2026-27年シーズンに参戦する各チームの入会審査を行った。ビートレインズは、2024年シーズンの平均来場者数が1710人、同年度の売上高が2.7億円だったとして、「B.LEAGUE NEXT」のライセンス交付を決定。その上で、「B.LEAGUE ONE」の本入会に必要な「2023-24シーズンの平均入場者数が2400人以上」「2023・2024年度の2期連続で売上高が4億円以上」などの基準は満たさないものの仮入会の条件は満たしているとして、同カテゴリーへの仮入会を認めた。
チームを率いるTHTマネジメント(八王子市子安町3)は同日、八王子市役所で記者会見を行い、同社の室舘勲会長、高松僚社長、同社取締役で「コスモ計器」社長の古瀬智之さん、チームキャプテンを務める大城侑朔選手、初宿和夫八王子市長、八王子商工会議所の樫崎博会頭らが出席した。
高松社長は「かかわる全ての方のおかげで、仮入会ではあるが『B.LEAGUE ONE』に参入できたことに感謝する。Bリーグが『B.革新』ののろしを上げたことが全ての始まり。地域の方々が数多く試合に足を運び、スポンサーの方々も支援してくれた賜物。『B.LEAGUE ONE』に向けて、はずみを付けるためにも最後のB3を地域、かかわる方々のために引き続き頑張っていきたい」と話す。
2025年シーズンは、2年後のシーズンの審査対象になることから、「昨年と同様にできれば、2027シーズンも仮入会の基準は満たせる。『B.LEAGUE ONE』の本ライセンスを取るには、売上高4億円以上などの基準を満たさなければならず、来ていただくお客さまの客単価を上げることが大事になってくる。チケット収入とグッズ、飲食などの売り上げを増やしていくことで、4億円を実現するシミュレーションを作って、今、進めている」と高松社長。
大城選手は「今季は現行リーグでの最後の年。上位を目指し良い成績で終わりたいという気持ちで動いている。しかし、選手にとっては1年1年が勝負で、来年の保証は誰もされていない。今は先を見ず、亀崎光博ヘッドコーチの下、目の前の試合をしっかりと戦っている。その積み重ねが今、結果として出ている。ここからどんどん連勝を重ねていくつもりなので、皆さんには会場に来ていただきたい」と話す。
初宿市長は「『子どもたちに夢と未来を』『バスケで八王子を盛り上げる』をコンセプトに、選手の皆さんにはさまざまな取り組みにボランティアで参加していただいている。スポーツのみならず八王子の地域経済に多大なる貢献をしてもらっている。八王子のために力を尽くしてくれている東京八王子ビートレインズの『B.LEAGUE ONE』参入決定は大変うれしい。さらに上位のリーグに行くことも期待している」と話す。ビートレインズは今季からホーム戦を一部の町田市で開催することから、「多摩地域全体をスポーツで盛り上げてもらえたら」とも。
2026年シーズンの「B.LEAGUE ONE」については、25チームの加入が認められたが、ライセンス交付を受けたのは、現在、「B1」所属の「ファイティングイーグルス名古屋」、「B2」所属の「熊本ヴォルターズ」「鹿児島レブナイズ」のみだった。それ以外のチームはビートレインズと同様に「B.LEAGUE NEXT」のライセンス交付と、同カテゴリーへの仮入会となった。