工学院大学附属中学校・高校(八王子市中野町)自動車部が11月1日・2日に行われたソーラーカーレース「2025白浜ECO-CARチャレンジ」に出場し、総合9位となった。
同大会は和歌山県白浜町の旧南紀白浜空港跡地に用意された特設コースで行われた。1周2540メートルのコースを使い、ソーラーカーで制限時間内に走った周回数を競った。
自動車部は白浜での大会に2022年から参戦している。4回目の参戦となった今回は、中学2年生から高校2年生までのメンバー12人が、ソーラーカー部門の「レジェンド・クラス」に出場した。
1日目は2時間30分走る第1ヒートと第2ヒート、2日目は約3時間走る第3ヒートのレースが行われた。第1ヒートは37周、第2ヒートは走行方法の問題でペナルティーを受け32周、第3ヒートは40周走行した。2日間で109周を走り、総合成績は優勝チームと65周差、出場した全16チーム中9位でレースを終えた。
同部は工学院大学八王子キャンパス(中野町)に拠点を置く「ソーラーチーム」から、2021年にソーラーカー「Practice(プラクティス) 驍勇(しゅうゆう)」の譲渡を受けた。車両はオーストラリアを舞台にした世界最大のソーラーカーレース「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(BWSC)」に出場するため、2013(平成25)年に「ソーラーチーム」が開発・製作したもの。現在は同チームが監修し、自動車部員が整備している。
空気抵抗を減らすため車両は胴体が一つの単胴型に改造した。レギュレーション変更に伴う新たなバッテリー製作のため、サポートとして「ソーラーチーム」の学生メンバー2人も参加した。
ドライバーを担当した3人の一人、中学3年の飯田蒼平さんは「最初の1、2周はめちゃくちゃ怖かった。運転は想像していたほど大変ではなかったが、周りを見つつ、ピットにも情報を伝えながら走るのは大変だった」と話す。
同じく高校1年の公文林太郎さんは「スタートする前は緊張していたが、チームの皆さんが全力を尽くしてくれたので、走っている間は自信を感じていた。チームの期待に応える走りができたと思うので、ほっとしている。今年で2年目だが初めて経験することがあり、知らなかったことも多くあった。勉強を積み重ね、成長していきたい」と話す。
同じく高校2年の日野翔太さんは「昨年も参加したが、ピット側から見るだけだったので分からないことがあった。いろいろな車と一緒に走るのはとても楽しかった。コーナーを曲がる時に後方の車と接触してしまったので、コーナー進入前に後方確認をしっかり行い、追い越しの時も周りの車両に気を付けた」と振り返る。
同部顧問で副校長の島田浩行さんは「マネジメントを含めて生徒たちにほとんどを任せた。なるべくエネルギーを消費しないようにと空気抵抗を減らすために車を改造した。これまでとは走り方も変えなければいけなかったが、今回、状況が分かったので、来年は順位を上げるために全力を尽くしたい」と話す。