テレビアニメ「日々は過ぎれど飯うまし」と、作品の舞台になった八王子市が「ロケーションジャパン大賞」の候補に選ばれたことを受け、初宿和夫八王子市長が11月21日、一般投票への協力を呼びかけた。
地域を沸かせた作品とその地域を「作品×地域」として顕彰する同賞。主催はロケ地情報誌「ロケーションジャパン」(発行=地域活性プランニング、港区)。2010(平成22)年に創設され、今年で16回目を迎える。
同誌編集部が11月7日、大賞の候補となる作品と地域を発表した。2024年11月1日~2025年10月31日の1年間に公開・放送された映画やドラマ、アニメなどが対象で、68作品88地域が選ばれた。同編集部では現在、大賞にふさわしい「作品×地域」を選ぶ一般投票を展開している。
テレビアニメ「日々は過ぎれど飯うまし」は4月~6月、TOKYO MXをはじめ各局で放送された。東京都立大学南大沢キャンパス(八王子市南大沢)は、主人公たちが通う「稲荷女子大学」のモデルになるなど、作中には八王子市内にある実在の店やスポットが数多く登場する。作品制作に当たっては、企画段階から八王子観光コンベンション協会のフィルムコミッション事業部門が支援に当たった。
審査は、ロケ支援組織の有無や窓口の一本化といったロケの受け入れ体制を評価する「撮影サポート度」、経済効果や観光客の増加率などを基にした「地域の変化」、ロケ地を紹介するマップの有無などロケ地周遊への取り組み具合を表す「行楽度」に加え、一般投票による「支持率」の4つを指標化して行う。
投票結果が審査を左右することから、初宿市長は現在、投票への協力を呼びかけている。かつて東京都立大学に職員として勤めていた初宿市長は「取り上げてくれたことはとてもうれしい。アニメだけでなくドラマなどでも南大沢駅から見た都立大を取り上げている。八王子を巡ってもらえるような観光行政を進めていきたい」と話す。
日本アニメの持つ力や、舞台となった場所を訪ねる「聖地巡礼」のメリットを感じているという初宿市長。「高尾山一人勝ちではなく、そのにぎわいを市内全域にも広げていきたい。アニメで何かできないかと検討していた。八王子を舞台としたアニメができ、八王子を訪ねる人が増えることを期待していたので、今回の作品が広がりを持ってくれたことに感謝している」と話す。
北条氏照がいた八王子市は、神奈川県小田原市、埼玉県大里郡寄居町の3市町で「北條三兄弟三領共同宣言」と姉妹都市盟約を結んでいる。初宿市長は「私たちは北条氏のNHK大河ドラマ化を強く願っている」と話す。
投票受け付けは12月12日23時59分まで。結果発表は2026年2月19日。