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八王子の中学生が収穫したサツマイモを商品化 生徒に納品、農家・企業協力

できあがった「高尾ポテト」を受け取った森原さん(左)、森田さん(中央左)と村上さん(中央右)、舩木さん

できあがった「高尾ポテト」を受け取った森原さん(左)、森田さん(中央左)と村上さん(中央右)、舩木さん

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 八王子市立ひよどり山中学校(八王子市暁町3)の生徒が収穫したサツマイモを原材料に使った、八王子のご当地スイーツ「高尾ポテト」が12月2日、同校生徒に引き渡された。

通常の「高尾ポテト」を試食する生徒たち

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 ひよどり山地区は東京都立小宮公園に隣接しており、同校は「ひよどり山」の頂上付近にある。同校では、1年次から「総合的な学習の時間」の中で農業に取り組んでいる。

 「高尾ポテト」は、「MAMMA ROMAN」(中野上町1)が2011(平成23)年から販売している八王子のご当地スイーツで、八王子産サツマイモを使ったスイートポテト。

 同校3年生約80人は10月31日、ひよどり山にある農地でサツマイモ「紅あずま」を収穫した。2012(平成24)年に八王子で新規就農し、2023年からは八王子市議会議員も務める舩木翔平さんが育てたサツマイモで、生徒は「サツマイモのツルを切る」「ツルを運ぶ」「イモを掘る」の3チームに分かれて作業した。1時間で約350キロのサツマイモを収穫した。生徒は11月中旬に収穫したサツマイモを洗浄する作業も行った。

 サツマイモはその後、「MAMMA ROMAN」に引き渡され、12月2日に今回収穫されたサツマイモと、ほかの産地のサツマイモを合わせて、「高尾ポテト」を製造。同日夕方、「高尾ポテト」本店(中野上町1)で同社の村上右次さんが商品の入った段ボールを生徒2人に手渡した。作られた商品は、3年生の三者面談の際に保護者に配られた。

 初めてサツマイモの収穫を体験したという、3年生の森原叶夢偉さんは「自分たちがかかわった商品をみんなに届ける経験ができてうれしい。サツマイモは一気に抜けるものだと思っていたら、周りの土をちゃんと掘ってからゆっくりと抜く作業が必要で驚いた。できあがった『高尾ポテト』を食べるときは、私たちも製造にかかわったことをかみしめながら、おいしく食べたい」と話す。

 森原さんと共に商品を受け取った森田真広さんは「自分で収穫した物が製品化される経験はなかなかない。みんなに届くことを知り貴重な体験だと思った。保育園の頃にイモ掘りをしたが、当時はイモを抜くだけだった。今回はツルを切る工程から行ったことで、ツルが長く、抜くのも大変であると実感した。『私たちが収穫して洗った』と親に伝え、一緒に食べたい」と話す。

 商品引き渡し後、2人は通常の「高尾ポテト」を試食した。2人が「いい匂い」「うまい」と感想を述べると、村上さんが「テレビのタレントよりも良い顔をしている」と話し笑いを誘った。村上さんは2人に商品製造後のサツマイモの皮が地元の牧場に運ばれ、牛の飼料となった後、堆肥が再び舩木さんの畑で肥料として使われることで、八王子の中で循環していることなどを紹介した。

 舩木さんは、ひよどり山中学校の卒業生で、2021年度から同校で農業指導にかかわっている。自身が中学1年生の時に農業体験が授業に導入されたことが今も農業を続けている原点になっているという。

 「学年ごとにいろいろな農業をやっているので、年に数回は学校を訪れている。今年はテニスコートを建設することになり、学校の畑も面積が3分の1に縮小された。母校の特色である農業体験を途切れさせたくないと思い、『私の畑が近いから一緒にやらないか』と提案した。今年の夏は猛暑で、地域によってはサツマイモの病気が流行したが、私の畑は影響を受けず豊作だった。『これは商品になるんだよ、傷を付けたらダメだよ』と生徒に伝えながら作業を進めてもらった」と舩木さん。

 「MAMMA ROMAN」では、学校から職業体験や工場見学などの依頼があっても、工場の狭さから受け入れは難しいという。村上さんは「今回のように生徒がかかわったサツマイモを製品化する形であれば協力できる。地域の人に安心安全な物を食べてもらいたいという理念とも合致したので、よろこんで引き受けた。味を調節するために、ほかの産地のイモもブレンドしたが、生徒が収穫したイモの比率を可能な限り高くして作った。今後もこういった活動が継続できたら」と話す。

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