高尾山(八王子市高尾町)で富士山の真上に太陽が沈む「ダイヤモンド富士」の姿が見ごろを迎えている。
「ダイヤモンド富士」は日の出や日没時に富士山の山頂部と太陽が重なる現象。富士山と太陽の角度の問題から年2回だけ見ることができる。名前の由来は黒いシルエットの富士山と太陽の姿がダイヤモンドの輝きに似ていることから。富士山の東側に位置する東京では日没時のみ観察が可能で、富士山頂に向かって太陽が沈むような形になる。国土交通省関東地方整備局が富士山を良好に眺望することができるとしている「関東の富士見百景」128カ所の中では、東京、千葉、神奈川、山梨など約50カ所で観察することができる。
「関東の富士見百景」の一つでもある高尾山では、冬至を挟んだ12月17日ごろから26日頃ごろまでの間に年1回だけ観察することが可能。このため、毎年この時期は「ダイヤモンド富士」を目当てにした観光客が多く集まり、期間中の最初の土日に当たる今月19日には200人を超える人が山頂を訪れた。近年はミシュラン効果もあってか、外国人観光客の姿も目立つという。
高尾山でケーブルカーやエコーリフトを運行している高尾登山電鉄(高尾町)によると、「日没は16時30分ごろ」のため、その少し前の16時ごろから観察を始めると良いという。観察のポイントは「高尾山山頂」か「高尾山から向かって、もみじ台の少し先」。もみじ台からは相模湖方面を眺めることができる。期間中(20日~24日)は、通常17時15分までのケーブルカー運行時間を18時まで延長する。
なお、山頂に位置する高尾ビジターセンター(高尾町)は「日没後は急に暗くなるので、懐中電灯を必ず持参してほしい」と呼びかける。「歩いて下山する場合は1号路で下山してほしい。他の研究路は山道なので危険」とも。