バングラデシュの3輪自転車タクシー「リキシャ」で日本縦断の旅へ

「リキシャで日本縦断」の旅に出た三井昌志さん

「リキシャで日本縦断」の旅に出た三井昌志さん

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 八王子在住の写真家・三井昌志さんは3月1日、バングラデシュの3輪自転車タクシー「リキシャ」で日本を回る旅「リキシャで日本縦断」をスタートさせた。

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 三井さんは京都出身の写真家。機械メーカーに勤務後、2001年から10カ月にわたってベトナム、カンボジア、タイなどのユーラシア各国を放浪し、2003年にはその模様をつづったフォトエッセー「アジアの瞳」(スリーエーネットワーク)を発売。これまでに旅先で撮った写真をまとめた「スマイルプラネット」(パロル舎)、「この星のはたらきもの」(パロル舎)などの写真集も出版している。

 リキシャはバングラデシュを代表する交通手段の一つ。人力タクシーの一種で、3輪自転車の後部に屋根付きの座席が備え付けられており、推定100万台がバングラデシュ国内を走っている。2005年に行われた「愛知万博」の際には「バングラデシュ館」で展示された。

 「1年前にバングラデシュを旅しているときにふと思った。『このやたら派手なリキシャって乗り物で、日本を旅したら面白いだろうな』と」と三井さん。「多分リキシャで日本縦断なんて誰もやっていないだろう。何ともバカバカしい試みだが、やってみる価値があるんじゃないか」。

 すでにリキシャを使ってバングラデシュ国内を走った。1カ月かけて走ったが、「リキシャは総重量が100キロあり、しかもギアが一つしかないのでペダルがすごく重い」と三井さん。「こぎ始めて数日は本当につらかった。でも徐々に体が慣れてきた」と振り返る。「山の多い日本ではもっとしんどい旅になる。それは覚悟している」。

 フェリーに乗って東京を出発し徳島へ。まずは四国を横断し、その後、九州、鹿児島、沖縄と向かった後、北海道を目指す。「何カ月かかるのかはわからない。夏ごろにはゴールしたい」。今回の旅のテーマは「笑顔」と「はたらきもの」の2つ。「ここ数年の間、僕がアジアで撮り続けているテーマと重なる。アジアの国々と日本はどこが違うのか。どこが同じなのか。それを『リキシャ引き』の目線で見てみたい」と三井さん。「誇りを持って働いている人は、きっと日本中にたくさんいる。そういう人々の当たり前の日常の中に宿る光りをとらえたい」。

 三井さんは「旅は縁」だという。そこで、今回は旅の途中で5円でリキシャに乗ってもらう「5円(ご縁)タクシー」も試みる。「そこから何が生まれるのか、今の時点ではわからない。わからないからこそ、旅は面白い」と三井さん。

 旅の模様はブログやツイッターで随時報告していくという。

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