八王子の懐石料理店「美ささ苑」(八王子市元横山町1、TEL 042-646-3330)は現在、東日本大震災を受け復興支援を目的とした特別プラン「がんばろう日本プラン」を提供している。
八王子に移築された千利休ゆかりの茶室「獨楽庵(どうらくあん)」を抱える同店。今回の震災を受け、「飲食業界は自粛ムードの中、キャンセルが相次ぎ大変厳しい状況に直面している」と同店マネジャーの樫崎さん。「お客さまは『自分たちだけおいしい物を食べたりぜいたくしたりできない』という罪悪感のような思いが強く、結果として来店をちゅうちょしている現実もある。店としては何か復興支援できることがないかと考えていた」
同プランでは客と店が一体となって支援できる企画として、食事後に料金を支払う代わりに客自らコースへの対価を設定して、その金額を店内に置かれた「支援金ボックス」に入れてもらう。価格は客が自由に設定可能で全額を寄付に回すため、結果的に食事代金自体が寄付に回る仕組み。
「売り上げの何%を寄付する、といったことは大規模店舗ならば効果的かもしれないが、私どものような小さな店の場合、それにかこつけて商売しているような部分が個人的に好きになれなかった」と樫崎さん。「支援金ボックスは常時設置するため、通常のご利用であっても寄付にご協力いただける」とも。
提供するメニューは、タコやタケノコを使った先付けからわん物、揚げ物、煮物、炊き込みご飯などで成る6,000円相当の「季節の懐石コース」。料理の内容については仕入れの状況によって変わるという。既に4月22日から提供を始めており、事前の予約が必要。1日10組限定で、予約は利用日前日まで受け付ける。集めた募金については八王子市を通じて被災地に送るほか、募金額は同店ホームページで公開する予定。
営業時間は火~度=11時30分~15時・17時~22時、日曜=11時30分~16時。月曜・第2火曜定休。5月20日まで。