菌やウイルスを固着・不活性化するふきん、NBCメッシュテックが商品化

「Cufitecカウンタークロス」を持つNBCメッシュテックの内藤さん

「Cufitecカウンタークロス」を持つNBCメッシュテックの内藤さん

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 日清製粉グループのNBCメッシュテック(日野市豊田2)は5月、飲食店、保育園や幼稚園、介護施設など向けに抗ウイルス・抗菌性を持つふきん「Cufitec(キュフィテック)カウンタークロス」を発売した。

「Cufitecカウンタークロス」の製品写真

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 1934(昭和9)年に小麦粉の生産の際、ふるいにかけるためのメッシュを作るメーカー「日本篩絹」として創業した同社。現在は主にスクリーン印刷用資材、産業用資材や化成品などメッシュを使った製品を開発・製造・販売する。「八王子は養蚕が盛んな街で、織物があり、水がきれいだいうことから、この地で創業したと聞いている」と同社営業本部新市場開発チーム課長の内藤さん。

 「私たちの技術に付加価値を付けようとナノ粒子に着目し、布にこの粒子を付けることを開発してきた」と内藤さん。ほこりがつきにくい網戸などの製品に研究成果がつながる中で、「偶然にもウイルスに効く材料を見つけることができ、その応用製品を作ることができた」。基材に抗ウイルス剤を結合させたキュフィテック技術は2009年に発表。同技術の最大の特長は大腸菌や黄色ブドウ球菌、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどの細菌やウイルスを固着した上で不活性化する点。「つけて離さないということが感染症対策には重要」と内藤さん。

 同年11月には「Cufitec高性能マスク」として初めて商品化。クリニックや成田空港の検疫所で採用されるなど評価されてきたが、「普段何気なく拭いているふきんが見かけはきれいでも細菌やウイルスを広げることがあることに気付いた」。今回開発したクロスはレーヨン製の不織布でできており、サイズは幅33センチ、長さ55センチ。消毒剤などを使うことなく細菌やウイルスの繁殖増殖を抑えることができ、臭いの発生も抑制できるという。

 1枚のクロスは洗浄することで50回まで使用可能。現在は法人向けのみに販売している。1カートン20枚入りで、希望小売価格は6,000円。内藤さんは「将来的には一般家庭へも展開していきたい」と意気込む。

 併せて、同技術を施した感染防護服「Cufitec防護服シリーズ」と、から拭き、水拭きに使える「Cufitec拭き取りシート」も発表。防護服は使い捨てで体全体を覆う「つなぎタイプ」のほか「アイソレーションガウン」、キャップ、シューズカバーなども用意する。「病院や介護施設など施設内を移動する場面で使っていただけるのでは」と内藤さん。拭き取りシートは清掃作業など向けの使い捨てタイプで、4月末には東日本大震災の被災地に向かう消防署員に使ってもらおうと東京消防庁に対して、240枚入り100個とマスク9,000枚を寄贈したという。

 6月21日に川崎市産業振興会館(神奈川県川崎市)で同社が開催する「メッシュテックフェア」で商品展示を予定する。

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