恵泉女学園大学(多摩市南野2)は5月30日、一般から応募を受け付けていた「ケータイ川柳コンテスト」の結果を発表した。
2008年から行われている同コンテスト。毎年5月に行われる「恵泉スプリングフェスティバル」に合わせて実施しており、今年で4回目を迎えた。「大学の学びの特徴と関連しながら、広く楽しんでもらえる公募企画がないか検討した」とコンテストに関わる同大学人文学部日本語日本文化学科教授の武田徹さん。
同大学では日本語の表現力や伝達力を高めることを目的とした科目「日本語能力」を設けており、川柳も講義の中で取り上げていた。「川柳の創作で日本語のリズムに自覚的となり、ユーモアやアイロニーを込めた表現技術を習得するための課題として扱っていた」と武田さん。「それをスプリングフェスティバルの場で一般公開したらどうかと考えた」
毎年、同学科の教員によってテーマを設定。「川柳らしく社会の傾向を少し斜めに見ることがたやすいお題を選んでいる」。今年は現在、テレビ東京系で放送されているドラマ「マジすか学園2」のロケ地として同大が協力していることを受け、「マジすか!?」に決定。「AKB48が出演している番組であり、若い世代にも関心が高いだろうということで番組名の一部をお題に引いた」と武田さん。
今回は期間中に1403件の応募が寄せられた。「国語の授業で課題にしてくれたのではと思われるが、一つの学校から大量の投稿が寄せられたことも」。同日に行われた「恵泉スプリングフェスティバル2011」では、川柳作家のやすみりえさんをゲストに迎えて公開審査を実施。「学内審査員は日本文学と日本語学の教員。それぞれの専門知識も反映させて審査した」と武田さん。「やすみさんの選考も含めて多様な尺度で評価する個性的な川柳コンテストにできた」
最優秀賞には「さごじょう」さんの「レトルトよ あなたが褒めた あの料理」を選出。女子高校生による作品の中から選ぶ「やすみりえ特別賞」には「もかた」さんの「クッションと 思ってみたら 父の腹」を選んだほか、審査員賞など計9点の作品が選ばれた。
「震災後だったので暗く沈みがちかと思えばそうでもなく、むしろ暗い風潮を吹き飛ばすたくましいユーモアを感じさせる作品もあり、言葉の力を感じた」と武田さん。「つらい状況だからこそユーモアやアイロニーの力で暗い風潮を突き破るべき」とも。