国立東京工業高等専門学校(八王子市椚田町)で10月29日・30日、秋恒例の行事となっている「東京高専 de サイエンスフェスタ」が開催される。
同校は1965(昭和40)年に開校。機械工学科、電気工学科、電子工学科、情報工学科、物質工学科の5学科を展開し、約1000人の学生が学ぶ。「サイエンスフェスタ」は同校と多摩信用金庫(立川市)が主催するもので、小中学生に体験をすることで理科の面白さを知ってもらおうと毎年秋に実施している。
今回は同校の学園祭「くぬぎだ祭」と同時開催で実施。「大半の来場者は子どもたちなので、朝からずっと体験講座ばかりだと集中力も続かないし、疲労があってかなりの休憩時間を挟まなければならない状況だった」と同校副校長の大塚さん。「何とか休憩の間も楽しく過ごせないかという思いから、学園祭同時開催へとサイエンスフェスタを進化させた」と話す。
今回は「サイエンスフェスタ」として30を超える企画を用意。風に向かって進む「ウインドカー」を輪ゴムや風車などで作る講座などさまざまな体験教室を実施するほか、同校が参加する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(通称「ロボコン」)」で実際に出場したロボットなども登場。仕組みを学びながら在校生による操作デモを楽しむこともできる。
同校が行っている企業とのインターンシップを受け、学生を受け入れた地元の各企業も出展。4年前から実施している同校のインターンシップでは、毎年20人ほどの学生が参加。「広報企画型インターンシップ」をコンセプトに、今年は5月から7月までの間は週1回、8月には5日間連続で職場を体験。このイベントで子どもたちなどに技術を説明できるようになることを最終目標に据えて学んできた。
「まさに企業の一員として、企業の広報企画を手掛ける」と大塚さん。「企業側も会社の看板を背負ってプレゼンするので、力の入り方もかなり真剣」とも。今回は医療検査機器などを扱うシステムインスツルメンツ(小宮町)や精密機械の加工などを行うアミネックス(散田町3)など11社がブースを構え、インターン体験をした学生がパネルなどを使って自ら企業の技術を解説する。
会場ではこのほか、八王子周辺の大学などが参加するプロジェクト「八王子未来学」から東京純心女子大学(滝山町)による人形劇などの上演も行われるほか、「ファンタジー」をテーマに行われる学園祭と併せてさまざまな催しを展開。「学生中心で企画した学園祭を楽しみながら、同時に子どもたちや地域住民の方々に理科や科学技術の面白さを楽しんでいただける内容」と大塚さん。「日頃なかなか目にすることができない企業の高度な技術や学生の研究発表、理科実験講座にテーマを厳選した。わかりやすく、楽しい遊びを通して体験できる企画になっている」と意気込む。
開催時間は両日共10時~16時。