JR豊田駅近く「多摩平団地」(日野市多摩平)のリノベーション後の街区「たまむすびテラス」が10月1日、日本デザイン振興会(東京都港区)が運営する今年の「グッドデザイン賞」を受賞した。
JR豊田駅近くに1958(昭和33)年に建設された同団地。UR都市機構(横浜市中区)が賃貸住宅「多摩平の森」として運営しており、旧公団住宅を民間事業者に賃貸し、各社が目的に合わせて再生・改修工事を行った上で事業を行う「ルネッサンス計画2」の初めてのケースとして、リノベーションを実施。昨年10月に、「たまむすびテラス」として街開きを果たした。
今回は事業主体である同機構東日本賃貸住宅本部のほか、「たまむすびテラス」事業に参入したアルミサッシなど建具の設計・施工を本業とする「たなべ物産」(八王子市元本郷町4)、高齢者向け高機能住宅などを展開するコミュニティネット(中央区)、東京電力グループの東電不動産(中央区)の3社がそれぞれ受賞。耐久性、機能性において寿命が来た団地を、解体や建て替えなどではなく、最小限の手を加えることで再生させたことが審査員に評価された。
受賞を受け、たなべ物産の田辺裕康社長は、「古い建物の改修デザインにとどまらず、住環境そのものや、そこに存在するコミュニティーを再生したことが評価されたと喜んでいる」とした上で、「地元に新しい価値を持った団地が再生し、新しい住人が住み、新しい生活を送られているのは、地域活性を常に考えるわれわれの理念が現実となっていて、大変光栄」と話す。