山野美容芸術短期大学(八王子市鑓水)総合エステティック専攻2年の佐藤ななかさんが、来年7月にドイツ・ライプチヒで行われる「技能五輪国際大会(技能オリンピック国際大会)」の日本代表選手として出場することが決まった。
10月に日本エステティック協会(千代田区)が主催する「第5回エステティックコンテスト」のスチューデント部門全国大会・応用部門で優勝した佐藤さん。その後、技能五輪の代表選考会を経て、今回、ビューティーセラピー部門の日本代表に選ばれた。
同大生が「エステティックコンテスト」に参加するのは今回が初。「先生から話を聞いて興味を持ったのが最初。何事にも挑戦したいので、腕を試してみたくなった」と佐藤さん。学内選考、地区予選、全国大会と駒を進めたが、初めてのことで不安も多かったという。「先生と一緒にコンテストに向かって頑張った」と振り返る。
夏休みの間も学校で練習を積み、大会に向けて準備を進めた。技術だけでなく声のトーンなど接客についても練習。それが生かされてか、バイト中も「エステティシャンっぽい店員になっていた」と佐藤さん。「できないことがそのままなのは悔しい」と自宅に帰った後も母をモデルに練習を続けるなど努力を重ねたという。
今回の優勝や技能五輪への出場が決まったことで、同大入り口に看板が設置されたほか大学のホームページでも紹介。学校では一躍有名人となった。「1年生から声を掛けてもらえるようになったことがすごくうれしい」と佐藤さん。「みんなに『日の丸背負っているんだよ』と言われて、想像すると緊張する」としながらも、プレッシャーについては、「感じていても良くないかなと思う。とにかく今できることをやって、楽しんでやっていきたい」と前向きに捉えている。
技能五輪に向けては、「まずはパスポートを取ることから始めないと」と笑う佐藤さん。「こんなかたちで初海外になるとは思わなかったが、ドイツに行ったらソーセージが大好きなので食べてみたい」とも。「どうせ出るなら世界一」と目標は高く掲げ、「自分では思っていなかったが、口では『日本一になるから』と言ってきた。最近は言うことが大切なのかなと思っているので、大きい口をたたいておこうかなと」と笑顔で話す。
11月に20歳になり、来年は技能五輪への出場だけでなく、卒業・就職という大きな出来事も控えている佐藤さん。「お客さまの希望通りになれるようサポートできるエステティシャンになりたい」と意気込む。
同大は日本初の美容師養成短期大学として1992年、山野学苑(渋谷区)を母体に開学。美容デザイン専攻など4つの専攻を設ける。総合エステティック専攻は昨年4月に新設。佐藤さんは同専攻の1期生に当たる。