「萌え寺」として知られる松栄山了法寺(八王子市日吉町)を題材とした漫画「ようこそ了法寺へ」の単行本が12月4日、全国の書店で発売された。
「ようこそ了法寺へ」は、昨年3月に角川書店(千代田区)から創刊された漫画雑誌「4コマなのエース」で連載。オリジナルの「とろ弁天」を始めとした同寺のキャラクターが物語を繰り広げるもので、企画・発案を同寺の企画に関わる八福(元本郷町1)、作画を境内の「萌え看板」を描き、イベントなどでは「とろ弁天」として活動する、とろ美さんが担当している。
看板から始まり、グッズやCDなどさまざまな展開を続けている同寺。連載については、「皆さまから支持を頂き、もっと見たいと要望を頂いていたところだったので、渡りに船だった」ととろ美さん。創刊当初、隔月刊だった雑誌は昨年8月発売分から月刊化。締め切りには悩まされたものの、「自由に楽しく描く事ができたので良かった」と振り返る。「好きにできる分大変だったが、やりがいも感じた」とも。
今回の単行本では、創刊号から10月発売の第18号までの間に掲載された約1年半分の漫画を収録。仏教の考え方や節分、花祭りなどの催し、言葉などについても取り上げ、工夫を凝らした4コマ作品になっている。「皆さまからの反応は好感触」ととろ美さん。今回の本を「経典」と呼び、「仏教に興味が湧く漫画になっているので、気になる方は手に取って読んでみてほしい」と話す。単行本の発売に合わせ、漫画専門店「まんが王八王子店」(八王子市東町、TEL. 042-645-9121)では購入客にイラストカードを進呈するほか、年明け以降はオリジナル年賀状をダウンロードできるキャンペーンも予定する。
11月にはAndroid(アンドロイド)向けゲームアプリ「ほとけ系RPG ようこそ了法寺へ」もリリースするなど、同寺のプロジェクトはさらに裾野を広げている。「ゲームが発表されたタイミングでコミックスが出せたのはうれしかった」ととろ美さん。年末には、東京ビッグサイト(江東区)で行われる「コミックマーケット83」への出展も予定。「ぜひ来てほしい」と呼び掛ける。
サイズはA5版。価格は798円。