東京都は4月1日、大規模災害時に帰宅困難者を受け入れる「一時滞在施設」200カ所を発表、八王子市内では首都大学東京南大沢キャンパス(八王子市南大沢)など9カ所を指定した。
一昨年に発生した東日本大震災では、都内だけで推計でも約352万人の帰宅困難者が発生。JRをはじめとした鉄道は運行停止に陥り、駅や道路は混雑した。これを受け、都では帰宅困難者対策を明文化した「東京都帰宅困難者対策条例」を同日施行。同条例では帰宅が可能になるまで待機する場所となる同施設を、都が所有・管理する施設の中から指定することとしており、今回、その施設が公表された。
八王子市内では同キャンパスのほか、八王子拓真高校(台町3)、松が谷高校(松が谷)、南多摩中等教育学校(明神町4)、八王子桑志高校(千人町4)、八王子北高校(楢原町)、多摩職業能力開発センター八王子校(台町1)、八王子都税事務所(明神町3)、労働相談情報センター八王子事務所(明神町3)のそれぞれを指定。広域八王子圏では、日野市内で首都大学東京日野キャンパス(日野市旭が丘)、日野台高校(大坂上4)、南平高校(南平8)の3カ所、多摩市内で永山高校(多摩市永山)と多摩ニュータウン市場(永山)が指定された。
都によると、今回指定した200カ所全てを合わせると約7万人の帰宅困難者を受け入れることができるという。条例施行と合わせ、グーグル、ヤフージャパン、災害時に安否情報を提供するサイト「J-anpi」を運営するNTTレゾナントとも協定を結び、各サイトで各施設の位置情報などを提供するほか、民間施設と協定を結ぶことで、さらなる施設の確保も目指す。
同施設は発災後3日間の運営を見込み、都がまとめた「都立施設を活用した一時滞在施設の運営マニュアル」によれば、対象施設の例として学校や集会場、オフィスビルのエントランス、ホテルの宴会場などを挙げる。食料や水などの提供のほか、周辺の被害情報や鉄道の運行情報などの情報支援も予定。