八王子・多摩地区の魅力を発信し、地域に貢献をするために男女、健常者、障がい者など隔たりなくメンバー編成を変えながら表現・ステージ活動をするグループ「はちみつクラッチ」が2月2日、ステージデビューした。
昨年10月、ボランティアベースで立ち上げられた「はちみつクラッチ実行委員会」が、男女を問わずメンバーを募集。現在、フロントメンバーの8人のほか、候補生を含めた約20人が所属しており、イベントなどに合わせてメンバー編成を変えながら活動している。
「活動自体は部活に近いかも」と実行委員会代表の柏木さん。プロスノーボーダーでもあった柏木さんが当時、スポンサーから受けた「次の世代を育ててほしい」という言葉が心に留まり、青少年の健全な育成を図ろうと今回のプロジェクトを企画した。「モデル志望や声優志望、バンド志望などいろいろな人が集まり、そのやりたい情熱を育てながら活動していきたい」という。裏方である舞台監督志望の女子高生をプロジェクト全体のプロデューサーに任命するなどの新しい試みも取り入れる。
フロントメンバーの一人で、これまでハワイアンダンスなどをやってきたという19歳の永池南さんは、地元・福島県いわき市でのイベントで披露するなど活動を積んできたが、高校生の時に起きた東日本大震災で被災。卒業後、「舞台に立つことで、福島への思いを、ステージを通して伝えたい」とグループへの参加を決めたという。「頑張っていることを知ってもらうだけでも違う。悩んでいる人の心の支えになりたい」と永池さん。「日本に笑顔を増やしたい」とも。
同じくフロントメンバーで、アイドルになりたいという夢を抱えて参加したという高校2年生の浦野祐璃香さんは今回の活動を「自分を変えるきっかけにしたい」という。「自分を好きになりたいし、変えられると信じている」とも。「八王子にしっかり貢献できるように頑張る」。同じくフロントメンバーの、歌手志望でこれまでバンド活動などもしてきたというBONさんは、友人からの紹介でグループに参加。活動を通して「自分に磨きをかけていきたい」と話す。「これまで歌手になるためにやってきた。いつかは独り立ちできるようになりたい」と夢を隠さない。
現在は週2回のペースで発声練習やボーカルトレーニングなどを重ねており、今後は八王子をはじめ各地で行われるイベントなどへの参加も進めていく方針。活動は柏木さんをはじめ、10人余りの大人たちが支えているが、「ダンスを基本的なところから教えてくれる方や楽曲を提供してくれる方にもスタッフとして参加してほしい」と呼び掛ける。
活動を始めたばかりの「はちみつクラッチ」だが、既に第2期となるメンバーの募集も始めるなど新たな展開も見せており、柏木さんは「地道に長く続けていきたい」と意気込む。