高尾山薬王院(八王子市高尾町)で3月9日、春の恒例行事「高尾山火渡り祭」が行われる。会場は同院自動車祈祷殿広場。
同院は真言宗智山派の大本山。高尾山麓にある同殿では日頃、交通安全祈とうが行われている。火渡り祭は高尾山の2つの荒行「水の行」「火の行」のうち「火の行」を一般公開するもの。火をたいて祈りをささげる護摩(ごま)修行としては同院最大の行事として知られる。
修験者や一般参加者ら毎年1000人ほどが参加。当日は会場中央に用意するヒノキの葉を積み上げた護摩壇を使って、信者や一般の参加者が氏名や年齢、願い事を書き込んだ札をたき上げる。火が収まると、まず白装束に身を固めた修験者が火渡りを行い、その後、残り火となったところで一般の参加者が素足で歩き諸願成就を祈願。この祭りの時にのみ配布される「梵天(ぼんてん)札」(500円)や同祭に参加した証しである「渡火証」(300円)などのお守りの授与も行う。
今年は2月中旬に大雪が降り、市内では50センチ以上の積雪を記録。会場周辺も雪に覆われたため、「今、雪かきをして急ピッチで会場を仕上げている」と同院担当者。高尾山ではまだ雪が残るものの、同祭の実施に影響はなさそうだという。
祭りは13時から。