八王子市由井市民センターみなみ野分館(八王子市みなみ野1)前で10月4日、八王子みなみ野駅周辺の「八王子みなみ野シティ」25周年を祝って、起工当時に埋められたタイムカプセルの開封記念式が行われた。
タイムカプセルは当時の住宅都市整備公団が施行する「南八王子土地区画整備事業」の起工を記念して、1989(平成元)年に埋められたもの。2014年に開封することを約束し、25年間にわたって、みなみ野の丘公園(みなみ野)に埋設。ステンレス製のモニュメントには、当時の波多野重雄八王子市長が詠んだ歌「風起り 山総立ちて 蝉谺(せみこだま)」も記されていた。
掘り起こし工事は6月に行われ、衣装ケース40箱、1200点の収納品を回収。今回、同日開催の「みなみ野フェスタ2014」のオープニングセレモニーの一環で式典が行われた。石森孝志八王子市長のほか波多野元市長ら当時の関係者も多く出席し、波多野元市長は当時の出来事を振り返りながら「感無量」とあいさつ。25年の思いを込めて「秋深む 野山を開き 作る街」という新たな歌も披露し、「次の25年には石森市長に歌を詠んでもらいたい」と話すと会場からは拍手が起こった。
式典では、タイムカプセルが埋められた当時、小学5年生だったという加藤恭子さんら3人の代表者に収納品を返却。子どもとともに式典に参加した加藤さんは、「ドラえもん」などの漫画本や貝殻などが石森市長から返却されると、「入れた品にはほとんど記憶がない。びっくり」としたうえで、「街が発展し、八王子の中でも子育てしやすい街になってとてもよかった」とほほ笑んだ。
同館内では持ち主への収納品の返却作業とともに、一部の収納品が展示された。地図やアルバム、手紙、新聞などに加えて、1989年8月号のJR時刻表や片倉駅の切符、電話帳など一風変わったものも並び、多くの来訪客が手に取っては当時を懐かしんだ。