商店を通して八王子の魅力を紹介する冊子「JIMOTO」が10月31日から配布され、話題を呼んでいる。
八王子の中心市街地の商店など32店舗の写真をメーンにして紹介する同冊子。ギャラリーカフェ「MODESTE」(八王子市元横山町3)や坂本呉服店(八日町)、タカクラメガネ(八幡町)、生花店「FLORAISON(フロレゾン)」(子安町1)、まつおか書房(東町)など各店の日常を見開きで紹介しており、「八王子の伝統・今・これから を『つなぐ』、八王子の内と内・内と外とを『つなぐ』」をコンセプトに据えている。
制作を手掛けたのは「MODESTE」店主の望月さんや坂本呉服店の坂本直美社長ら地元の有志。プロジェクトのメンバーで画家の中村眞弥子さんが名古屋で個展を行った際に手にとった冊子を坂本さんに見せたことがきっかけという。「前々から写真集のようなものが作りたかったので、どんぴしゃな本で胸がきゅんきゅんした」と坂本さん。「だったら、作りましょうということで望月さんに相談を持ちかけた」と振り返る。
5月頃から制作を始め、これまでにつながりのある店を中心に紹介したい店をリストアップ。「ジャンルにこだわりたくなかった。和あり、洋ありとまとめて見せたかった」と望月さん。カメラマンの鈴木竜馬さんらも協力する中、夏から秋にかけて撮影やデザイン作業などを進めていったという。「一番大変だったのは印刷。写真集のようにするかどうかでそれに合う紙も変わる。予算もある中で理想的なイメージに近づけるのは大変だった」と振り返る。
今回は市の補助金なども活用して6000部を発行。冊子で取り上げた店のほか、全国各地でも配布を行っている。「八王子の人でも面白い商店があることを知らないことがある。ぜひ知ってほしい」と坂本さん。クオリティーの高さゆえ配布先からは「大事な人にだけ配りたいと言われることもある。とてもうれしいが出し惜しみはしないでほしい」と苦笑する。
「見て用がなくなったからといって捨てるのではなく、本棚に入れてもらえれば」と中村さん。望月さんは「紹介したいところはたくさんあるので、できればシリーズ化したい」と意気込みながら、「協賛していただける企業が出てきてくれるとうれしい」と期待を込める。
全76ページ。サイズはA5変形。無料。配布店舗はフェイスブックで紹介している。