八王子駅北口からほど近いダイニングキッチン「メリメロ」(八王子市東町)が1月13日、営業を終了し12年の歴史に幕を下ろした。
2002年にオープンした同店。カウンター席を含めて28席を設け、ランチ、ディナーの時間帯で営業。周辺にはケーブルテレビ局「J:COM八王子」(旭町)をはじめとした企業に加え、ヨドバシカメラなどの店舗も多いことから、地元客にだけでなくビジネスマンなどにも愛されてきた。
店を切り盛りしてきたのが、オーナーシェフの安藤毅さん。フレンチの料理人として経験を積んだ後、地元である八王子に同店をオープン。「おいしいものを提供してみんな幸せにしたいという目標でやってきた」と安藤さん。「レイアウトも席数もオープン当初のまま。毎日を淡々とやってきた」とも。
近年では市内の飲食店を巡ってワインを飲み歩く「St Vincent Hachioji(サン・ヴァンサン・八王子)」への参加やご当地グルメ「八王子ナポリタン」の普及を目指してオリジナルメニューも提供するなど地元を盛り上げる企画にも積極的に取り組んできた。「『サン・ヴァンサン』では横のつながりもできたし、いろんな飲食の方とも知りあえたのでとても良かった」としたうえで、「一人でやっているよりも地域に根付いたほうがいろいろなことができる」と話す。
今回、閉店に至った理由については明らかにしていないが、「『残念』『どうして閉めてしまうの?』といった声が多い」と安藤さん。今月11日には常連客の有志がフェイスブックを通じて呼び掛け「12時間耐久、メリメロを飲み干そう!」と題した催しも企画。同業者も参加できるようにと12時~翌0時までにわたる飲み会として行われ、閉店を惜しむとともに安藤さんの労をねぎらった。
今後については「店が小さいと与えられるものも小さくなってしまうので、これからはより一層多くの人に感じてもらえるようにしていきたい」と安藤さん。「八王子にはいろいろな店があるので街を歩き回ってほしい。そして、店のファンになってもらい、店がお客さまとともに成長していくことで、より良い街になるのでは」と期待を込める。