八王子駅近くの西放射線通り商店街(ユーロード)通り沿いにあるコワーキングスペース「8Beat(エイトビート)」(八王子市三崎町)が4月8日、全身をスキャンできる3Dスキャンサービスを始めた。
人間の全身をスキャンできる「VRC 3D Scanner」の開発を手掛けるiWing(明神町2)と協力し、立ち上げた同サービス。同機は高さ約2メートルまでの人物や動物、物をスキャンすることができ、カメラを搭載したスキャン部が被写体の周りを約10秒かけて1周することで撮影が完了する。
同サービスは、開発中の試作機を活用してスキャンデータを提供するもので、同施設の3Dプリンターを使って、フィギュアをプリントアウトするオプションも用意する。
今年2月にはバレンタインデーに合わせて体験会を行うなど、同機はイベントなどの場で活用され注目を集めた。同施設の運営を手掛ける小柳次郎さんは「個人的に息子を撮ってほしいという引き合いもあり、関心があることがわかったので、4月からサービスを立ち上げた」と話す。
機材を提供するiWingの謝英弟社長にとっては、ソフトウエアの改善などに向けたデータ収集に加え、3Dスキャンができる場所を発信する効果も大きいという。「スキャニングの精度と速度、計算スピード、そして、低コストのそれぞれを満たすものは世界的に見てもないはず。多摩地域の人に使ってもらって、いろんなところに機械を導入していければ」。
お宮参りや七五三、入学式や成人式など子どもの成長に合わせて記録を取っていくなど個人ユースの利用にも期待を込めている。「終活の一環として元気なうちに姿を残すことで、限りなくリアリティーのあるデータを作り、それを使って自身の葬式を演出するといったこともできるかもしれない」と小柳さん。
このほか、ダイエットサポートの手段として、スポーツジムと提携し、スキャンした体形データから改善に生かすなどビジネスとして広がりなどにも望みをかける。「コワーキングスペースは人が働き工作する場。そこにつなげることで、ビジネスの核にしたい」とも。
謝さんも「誰でも気軽にスキャニングでき、そのデータを使って楽しめる生活を作りたい」としたうえで、「新たな雇用創出や経済の活力にも役立てれば」と意気込む。
価格はスキャンのみ=3,240円。スキャンとプリントアウトをセットにする場合は、フィギュアの大きさなどによって6,480円~1万9,800円。