東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が4月25日、公式エンブレムを東京都在住のアーティスト・野老(ところ)朝雄さんの作品「組市松紋(くみいちまつもん)」に決めたと発表した。
野老さんがデザインを手掛けた工学院大学八王子キャンパスの「創立125周年記念総合教育棟」
今月8日に最終候補として4作品が発表されていた同大会のエンブレム。17日まで国民から意見を募った上で、同委員会のエンブレム委員会が最終審査を行った。「作品A」として挙げていた野老さんの作品に決まった。「応募いただいた約1万5000のたくさんのエンブレム案から選ばれた、たった一つのエンブレムが、 東京2020大会のシンボルとして、多くの皆さまに親しまれることを祈念する」と同大会大会組織委員会の森喜朗会長。
野老さんは、1992年に東京造形大学(八王子市宇津貫町)を卒業後、アーティストとして活動。建築家の千葉学さんや阿部仁史さん、ファッションブランドのイッセイミヤケなどとコラボレーションし建築物から洋服までさまざまな作品を提供。同大や武蔵野美術大学で非常勤講師も務めた。
広域八王子圏では、2012年に竣工した工学院大学八王子キャンパス(中野町)の「125周年記念総合教育棟」の丸を生かしたファサードやサイン計画を担当。同年夏には八王子市夢美術館(八日町)で行われた「来たれ!未来のクリエーター 桑沢学園のアート&デザイン展」で、作品展示に加えて模様をテーマに子ども向けワークショップを行った。
今回の快挙に、出身校である東京造形大学の広報担当者は「名誉あることで、みんな喜んでいる」と話す。工学院大学でも「本学八王子キャンパスのシンボルである『創立125周年記念総合教育棟』のファサードパターンとサインをデザインされた野老氏の東京2020大会エンブレム採用は、日本で初めて建築学部を設置した本学として大変喜ばしく思う」と祝福の声が上がった。