国道20号(甲州街道)沿い「八王子駅入口」交差点近くに5月29日、ベトナムサンドイッチ店「サンドイッチバインミー八王子」(八王子市横山町)がオープンした。
旧ダイエー八王子店横に位置する同店。バターやパテを塗りこんだバゲットに野菜や肉、魚などを挟んだベトナムのサンドイッチ「バインミー」を中心に展開。通常のバインミー(500円)に加え、チャーシュー入り(550円)、野菜バインミー(450円)、焼き肉バインミー(550円)の4種類をテークアウトで提供する。
2階には、イートインスペースを13席用意。イートイン限定として、牛肉フォー(650円)などの麺類やスープとドリンク付きの焼き肉ご飯(650円)もラインアップに並べる。
昨冬、飲食店創業に特化して行われた「飲食店向け!はちおうじ創業スクール」の出身。オーナーの福澤浩樹さんと店長のディエップ・イエン・オアンさんが二人三脚で店を作り上げた。福澤さんは「八王子でベトナム人が交流できる場所を作りたかったことから、飲食店を開き、べトナムの食文化を広めたいと考えた」と説明する。
ベトナムにたどり着いたのは、日本の農業をなくしたくないという思いからだという。「日本の農業を守るため、何が必要かを考えたとき、労働力だと思った。大学の後輩にベトナム人がいるが、もともとベトナム人は農耕民族で、しかも平均年齢が若いので、力を借りたい」。オアンさんとは八王子市国際交流センターで行われた講演会で偶然知り合い、意気投合したという。
「創業スクール」では、コストの計算など基本的なことを学んだというオアンさん。「全ての日本語が分かるわけではなかったが、すごく勉強になった」。スクールの授業を受けながら、物件を探すなど準備を進め半年がかりでオープンにこぎ着けた。
オープン前には一度、ベトナムを訪問。「本気でやりたかったので、福澤さんと一緒に行って、本場と同じような味になるように研究した」。日本人は柔らかいパンが好みなことから注文を受けてからバゲットの焼き具合を調整しているほか、バインミーで使うソースは日本人好みに合うようにしながらも現地の味にこだわっているという。
地域住民を中心に30~40代の客が多く、リピーターも増えている。今後の課題は近隣で働くビジネスマンへの周知。7月1日からベトナムのつけ麺と揚げ春巻きを期間限定で販売するなど、新たな取り組みも進めていく。
オアンさんは「まだバインミーを知らない人も多いので、ネットも使ってアピールしていきたい。八王子だけでなく立川など近隣の街の方にも知ってもらいたい」と意気込む。
営業時間は10時30分~19時30分(土曜・日曜は10時~19時)。木曜定休。