西八王子の文具専門店「文具の大洋」(八王子市千人町4、TEL 042-663-5239)が7月7日、営業を終了し、29年の歴史に幕を下ろす。
1989(昭和64)年1月に開業した同店。西八王子駅から徒歩7分、八王子市立第5小学校や東京都立桑志(そうし)高等学校の近隣に店を構える。開業当初は事業所などを巡る外商をメインとしていたが、現在は文房具専門店として展開している。
2代目店主の鈴木今朝邦さんによると、開業30周年を目前にして店を閉める決断をした。さまざまな理由がある中、文具を取り巻く時代の成り行きも影響の一つという。
鈴木さんは「もともと納品をやっていたが、ネット通販が出てくると、そういうところに客を持っていかれてしまった。通販が出てきたことで、『ボールペンの替芯1本持ってきて』のようにオーダーも細かくなってきた。これではビジネスとして難しいので街で商売をしてきたが、100円ショップや大手スーパー、ホームセンターのようなところにも当たり前に文具が置いてある時代。自分の中で考え直すところにきた」と話す。
6月12日に閉店を発表すると、フェイスブックなどで地元民の話題になった。連日、閉店を惜しむ客が訪れている。今月23日までは店内全品20%引き、26日~30日は30%引き、7月3日~7日は40%引きの閉店セールも始めた。「こういうことになってしまったが頑張る。(今後については)検討はしているが、まだ決まってはいない」と鈴木さん。
営業時間は10時~19時(土曜は17時まで)。日曜定休。