八王子市内を通る甲州街道(国道20号)沿いの商店街「八幡上町商店街くらま会」で現在、昔の八王子の街並みを撮った写真を展示する「おもひで写真街道」が行われている。
昨年10月以来の開催となる同イベント。店の壁や空き店舗のシャッターなどに昭和の八王子の姿を撮った作品約100点を展示。1940(昭和25)年ごろから街中の写真を撮り続けている浜中義孝さんをはじめとした市民有志や清水工房(八王子市追分町)の出版事業部門「揺籃(ようらん)社」などの協力を得て実現した。
展示作品をまとめたA5サイズの写真集「おもひで写真街道BOOK」を4000部製作し、買い物客に無料配布。地元で活動するイラストレーターYamamoto Harucaさんが手掛けた、八王子の偉人などを題材にしたシルク地のオリジナルフラッグ2種類も飾る。
プロジェクトに携わる写真店「桃屋美術」(八幡町)の春日晃さんは「今年は市制100周年ということもあり、人出も多くなる祭りの時期に見ていただければということで時期を前倒しして開催した。浜中さんから祭りの写真を提供していただき、それを多めに展示している」と話す。「まだまだ写真はあるので、来年以降も続けていきたい」とも。
「(フラッグは)春日さんが好きにやっていいと言ってくださった」とYamamotoさん。2週間ほどかけてイラストを描き上げ、色はショッキングピンクを使うなど目立つデザインに仕上げた。染色は奥田染工場(中野上町)が手掛け、オール八王子で作り上げたという。「八王子オリジナルなので、デザインも八王子にちなんだものにした。八幡町の山車(だし)などは頑張って描いた」とも。
街のスナップ写真を撮り続け、今年で83歳を迎えた浜中さん。「今思うと撮っておいてよかったと思う」とした上で、「もう東京に次のオリンピックは来ないと思っていたら(2020年に)来る。なんとかそれまで頑張りたい」と意気込む。
今月31日まで。