八王子市西部にある古民家「おもむろ」(八王子市小津町)とその周辺で11月12日、八王子の食とアートをテーマとしたイベント「FARMART」が行われる。
旬の地元野菜などの食材や調理品、料理を盛り付ける食器などの作品を一堂に集める同イベント。6回目となる今回は初めて中心市街地から外れ、高尾駅から車で約20分、西東京バス・恩方営業所から徒歩20分という山間の古民家を中心にイベントを行う。
「RICH(リッチ)」をテーマに据え、地元のギャラリーカフェ「MODESTE」や西八王子のネパールカレー店「奈央屋」、八王子市の文化施設「いちょうホール」のそばに店を構えるパン店「サルドゥバン」、山形県産のブドウを使ったジュース「ブンドクーカ」、神奈川県愛川町の「有機農園けのひ」などが出展。多摩産材を使った家具や雑貨などを展開するため今春立ち上がったブランド「Oxygen(オキシゲン)」や今秋に営業を始める予定の「高尾ビール」など初参加の店も並ぶ。
会場では屋外にある手作りのまき窯を使ったピザ焼き体験や八王子産材を使ったバターナイフ作り、アフリカ伝統の楽器・カリンバの製作体験などさまざまなワークショップも行われる。イベントに携わるグラフィックデザイナーの和田直也さんは「場所が場所なので、それを生かせるようワークショップに力を入れた」と話す。
「空き家がある小津町は地元の人たちが『このままではいけない』とNPOを立ち上げて、古民家をリノベーションするなど取り組んでいるところ。『FARMART』を中心市街地ではない場所でやってみたかったこともあり、今回、小津町で開催することにした」と和田さん。「小津町に行ってみて日常では味わえないようなことができる、とても豊かな場所だと思った。そういった場所があることを知ってもらいたい」とも。
和田さんと共にイベントを手掛ける「MODESTE」(元横山町3)店主の望月成一さんは「本質的な豊かさとは何なのかを掘り下げていくと、今の文明社会は実は豊かではないんじゃないかというところにつながる。あえて不便なことをするのも豊かさの一つなのでは。それを含めてリッチというコンセプトを理解していただければ」と話す。
開催時間中、西東京バス・恩方営業所と会場を結ぶ無料シャトルバスを往復5便運行する。定員は1便当たり14人。時刻表は同イベントのホームページに掲載している。和田さんは「おそらく紅葉も始まっている頃だと思うので、自然の中、ぜひ歩いてきていただければ」と呼び掛ける。
開催時間は10時~日没まで。入場無料。