八王子のライブハウス「八王子RIPS(リップス)」(八王子市三崎町2)が5月、開業20周年を迎えた。
音楽関係のテナントが多く入る「八王子ヨーロービル」の5階に位置する同店。1998年5月にオープンしたが店長を務める奥泰正さんは「調べたものの具体的に何日にオープンしたかの記録は残っていなかった」と話す。オールスタンディングで約300人を収容でき、近年ではサーキット型音楽フェス「HACHIDORI」の会場の一つとしても知られている。
大みそかと正月3が日を除き毎日営業。年間350本以上のイベントを開催している。「地元の大学生や高校生がメインで使っており、サークル活動で使う人もいれば、オリジナルで頑張っている人もいる。最近は子育てを終えた大人たちがバンドをやり始めるケースも増えてきた」と奥さん。
「グッドモーニングアメリカ」や「TOTALFAT」「BIGMAMA」「POETASTER(ポエテイスター)」「ハルカミライ」など同店のステージから羽ばたいていったバンドも少なくない。「僕が初めてライブをやったのが19年前、店長になってから5年たつが、昔よりバンドの数も増え『八王子のバンド』として世に出ているものも増えているので盛り上がってきている」とも。
ポリシーは「誰でも出られるライブハウス」。音楽に限らず、ダンスやお笑いなど「空間を使って何かやりたい人がいたらいくらでも相談にのる」。今月から1年間は「20周年イヤー」としてさまざまなイベントを行っていく予定だという。「昔懐かしい人から最近売れている人まで、いろいろな人に声を掛けているので期待してほしい」と話す。
今後は「音楽で食べていくかどうかは別として夢を持てる人を増やしていきたい」と奥さん。「ライブハウスはただ音楽やるだけではなく、人として成長していく場だと思っているし、それを大事にしている。人として成長できて、音楽がその人の人生にとって大切なものになれるよう続けていきたい」としたうえで、音楽のために都心に出ていかなくてもいい環境を整えたいという。「ライブができ、レコーディングができて、CDを出すことができれば八王子の中で完結できる。そして、大きなことがあるときは都内に攻めていけるようになればいい」と意気込む。