NPO法人「AKITEN」(八王子市千人町2)が5月21日、「第7回まちづくり法人国土交通大臣表彰」国土交通大臣賞を受賞した。
活動拠点である「AKITEN BASE CAMP」にはギャラリーを展開
毎年6月を「まちづくり月間」としてさまざまな行事を行っている国土交通省が、関連事業として全国のまちづくりに向けた事業のモデルとなり、都市の課題解決に向けて先進的な取り組みを行っている法人を表彰しようと、2012年に設けた同賞。今回は全国から応募があった11件の中から国土交通大臣賞1件と審査委員長賞3件を選出した。
八王子駅周辺の空きテナントを使い、アーティストの作品展を行うなど、さまざまプロジェクトに取り組んできた「AKITEN」。トークイベントやワークショップなどに加え、ビルの空きテナントを活用して、常設のアートギャラリーと一定期間スペースをアトリエとして貸し出す「アーティスト・イン・レジデンス」を立ち上げるなどアーティストやクリエイターの育成支援も手掛けている。
同NPO代表の及川賢一さんは「AKITENがアーティストやデザイナーとともに取り組んできた、さまざまな空きテナント活用事例は、八王子市だけでなく全国の自治体でも生かせる試みだと考えている。空きテナント活用の事例を全国に周知する機会であるとともに、八王子はアーティストやデザイナーがまちづくりに関わりやすい都市だというイメージを発信できればと考え応募した」と話す。
今回の受賞については、「本当にたくさんの人の好意に支えられて続けてこられたAKITENなので、まずはその人たちに感謝したい」と及川さん。「AKITENは全国的に有名になるような大きな事業はやっていないのだが、メンバーが皆、本業を持っている中、限られた時間でコツコツと積み上げてきたことが評価されてうれしい」とも。
先導性や公益性に優れた取り組みであることが高く評価された。「空きテナントを空き地に見立てて、空いている期間は地域に貸してもらえるようテナントオーナーに交渉していくとともに、それらを効果的に使ってくれるクリエイターをコーディネートしていくという点を評価いただけたのかなと思う。これをきっかけにもっと多くのクリエイターに八王子に足を運んでもらって、八王子のクリエイティビティーを高めていけたら」とした上で、「八王子にはAKITEN以外にも数多くの面白い団体やプロジェクトがあり、AKITENはそれらの1つにすぎない。毎週のように市内各地でさまざまな活動が展開されているので、市民一人一人が自分の興味にあった活動を探して、自分の街は自分で面白くするという思いを持って、みんなで八王子を面白くしていけたら」と呼び掛ける。
表彰式は6月15日、「まちづくりと景観を考える全国大会」会場で行われる。