京王線・京王八王子駅周辺の商店主や地元住民らは6月10日、「八王子中央公園を創る会」を結成した。
都が本年度から旧東京都産業技術研究所八王子支所跡地(八王子市明神町3)を活用して、産業交流拠点の建設工事を始めることから、周辺地区の再開発に合わせて都市型公園の設置を求めている同会。地元商店会・京王八王子商店会を中心に企画され、地域住民も巻き込んでプロジェクトを進めている。
同会では、2016年に開園した豊島区立南池袋公園(豊島区)を参考に、新施設への機能移転が見込まれている現在の都八王子合同庁舎(明神町3)を都有地のまま「八王子中央公園」とする独自のプランを提案。半年ほど前から企画を進め、今回、会の結成にこぎ着けた。
同会ではプロジェクトの概要を紹介するフリーペーパーを製作し店舗で配布しているほか、カフェ「BASEL 京王八王子本店」(明神町3)や老舗洋食店「ビストロ 野鴨(やがも)の家」(明神町3)、レストランバー「SCENE」(明神町4)などでは、2万人を目標に賛同の署名を受け付けている。署名用紙は同会のホームページでもダウンロードできる。
プロジェクトに携わる田中義夫さんは「地元として後世につなげられる公園を作っていこうというのが最初の思い。産業交流拠点を作ることに反対なのではない。50年、100年後を想像した時にそういう広場があるのはいいと思った」と話す。「(南池袋公園のような)整備された都市型公園が現れたからこそ、私たちも声を上げることができた。まだ産業交流拠点の計画すら知らない方がいらっしゃるので、そこから始めたい」とも。
7月8日には八王子労政会館(明神町3)で「第2回 八王子中央公園を創る会 シンポジウム」と題して意見交換を兼ねたイベントを開く。開催時間は14時~17時。参加無料。
産業交流拠点整備を受け、市は本年度、商業施設の誘致なども含めた周辺地区の再開発に向けた調査や沿道の無電柱化を進める事業費を予算に計上した。同地区の再開発事業が具体的に進むのは産業交流拠点の完工後、都八王子合同庁舎などの機能移転が終わってからになるとしている。