JR東日本は10月30日、来春から中央線特急「あずさ」「かいじ」などで普通車の全席を対象に事前に座席を指定できるサービスを導入すると発表した。
新型車両「E353形」への置き換えを進めている中央線特急。今回は千葉・東京・新宿~甲府・松本・南小谷間を運転する「あずさ」「かいじ」などの普通車全車両を対象に新たな座席指定サービスを始める。
今回導入するサービスでは、列車・座席を指定する「指定席特急券」と乗車日・区間のみを指定する「座席未指定券」のいずれかを選べるようにする。それぞれの料金は同額で、座席未指定券でも購入後、追加料金なしで座席指定を受けることもできる。
中央線特急で実施している「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」は新価格にするほか、乗車日の13日前の1時40分までに購入する「お先にトクだ値(乗車券つき)」も新たに導入する。スマートフォンや携帯電話から座席指定できる「えきねっとチケットレスサービス」にも新たに対応し、同サービスを利用する場合は一律100円の割引を適用する。これまで販売していた「あずさ回数券」「中央線料金回数券」「信州特急料金回数券」の3商品については来春で販売を終了する。
新宿~八王子間で「あずさ」に乗車する場合、現在は運賃に加えて自由席料金=510円、通常期の指定席料金=1,030円が必要だが、来春からは事前に申し込んだ場合、運賃に750円、「えきねっとチケットレスサービス」を利用する場合は650円を加えることで指定した座席に乗車できることになる。
来春「E353形」に車両が統一されることに合わせ、通勤やビジネス、観光などでゆったりと利用してもらおうと新サービスの導入を決めた。「E353形」には座席情報を示すランプが設置されており、赤の場合は空席、黄色の場合は間もなく座席指定を受けた客がいることなどを表すという。
「あずさ」「かいじ」のほか、特急としては高尾駅から成田区エクスプレスを運行しているJR東日本八王子支社の広報担当者は「今まで自由席は、始発はお乗りいただきやすかったが、その座席を指定することで途中からご乗車される方でも利用していただきやすくなるようになるのがメリット」と話す。中央線快速電車では2023年度にもグリーン車サービスを始める予定だが、これとは関係ないという。
価格は事前料金で、50キロまで=750円、100キロまで=1,000円、150キロまで=1,550円、200キロまで=2,200円、300キロまで=2,500円、400キロまで=2,850円。車内料金は、50キロまで=1,010円、100キロまで=1,260円、150キロまで=1,810円、200キロまで=2,460円、300キロまで=2,760円、400キロまで=3,110円。