多摩産材を活用した家具ブランド「oxygen(オキシゲン)」の展示会が3月16日から、展示スペース「perch」(八王子市元横山町3)で行われる。
多摩産材の活用を考えるプロジェクトとして、2017年から進められてきた「oxygen」。インテリアデザイナーやアートディレクターとして活動しながら、ギャラリーカフェ「MODESTE(モデスト)」(元横山町3、TEL. 042-686-0758)を手掛ける望月成一さんらが手掛ける。今回、望月さんに加え、木工家具の製作チーム「フルスイング」(八王子市川町)、グラフィックデザインを手掛ける「GALLE GRAPHICS」の黒岩正明さんの3組による家具ブランドとして新たなスタートを切ることになった。
ブランドとしての展示会は今回が初めて。昨夏から動き出し、多摩産材の中でもヒノキを使って、フルスイングがオリジナルの家具をデザインし製作。テーブルやアームチェア、ソファなど家具8点の展示を予定している。
フルスイングの佐藤界さんは今回の家具造りに当たり、個人宅だけでなく、「待合室に使えそうなテーブルやソファといった公共施設でも使えそうなものも意識した」と話す。素材としての多摩産材については、「これまで家具造りに辺り、タモやブナといった広葉樹を使って仕事をしてきたので、針葉樹は使ってみると難しさはある。どう加工し見せてあげれば多摩産材の良さを落とし込めるか探りながら進めていった。温かみなどヒノキの良さを出していくことを意識した」とも。
ブランドの立ち上げに合わせて、新たなロゴやホームページ、展示会のフライヤーなども製作。グラフィックを手掛けた黒岩さんは「ヒノキは家具には使いづらいという問題を抱えているのに、なぜやるのだろうという初歩的な点が一番気になった。そういうものが率直にうそ偽りなくユーザーに届くような見え方をしたいと思った」。展示会で配布する頒布物は、あえて写真などの資料とインタビュー記事などを別に印刷し、一冊にはまとめていないという。「見る側が自分の頭の中でつなぎ合わせて作っていってもらえるようなものを準備している」と黒岩さん。
「多摩産材は材料としては決して安いものではないし、スギヤヒノキは長い歴史の中であまり家具には向いていないと思われている素材」と望月さん。「家具まで踏み込んでやっている人たちもあまり見かけない。ただ、可能性を感じている」とも。
今後は受注生産をベースに、ネット販売なども見込む。「価格やさまざまな背景を意識して買ってもらうというよりは、プロダクトの魅力で買いたい人が出てくることが一番うれしい。店舗のデザインなど3人が一緒になって携われるプロジェクトが、『oxygen』を通じてできるといい。多摩産材を使いながら格好良いものを作り、多摩の森の一端を担いたい」と意気込む。
開催時間は11時~18時。今月24日まで(18日は休み)。