八王子のラーメン店を題材にしたラップを披露する「無敵の802(はちおうじ)ラーメンMCZ(えむしーず)」のライブ映像が6月24日、ユーチューブで公開された。
リーダーのMC御殿を中心に、西八王子駅近くの飲食店「COWABUNGA」(カワバンガ、追分町)スタッフのMC吾衛門・MCちとせ・女性ボーカルのラーメンクイーンの3人のほか、MC味幸・MC大安・MC一陽来福・MCとん八・MC星の家・MC竹の家・MCタンタン、トラックメーカーのDJ X麺など多い時で約15人が「麺(メン)バー」として参加する同ユニット。それぞれ八王子に店を構えるか、すでに閉店したラーメン店のファンとして、その屋号を名乗り店にまつわるラップを披露する。
今回の動画は6月22日に八王子駅近くのライブハウス「papaBeat(パパビート)」(八王子市三崎町2)で行われたイベントで、「最初で最後」として曲を披露した時の様子をまとめたもの。緊張していることを表す言葉として「バリカタ」、円陣を「麺陣」、ステージに出る前の掛け声に「いただきます」を使うなど曲以外の部分でもラーメンに対するこだわりを見せる。
カワバンガなどで集まった有志により立ち上げ。具体的に動き出したのは半年ほど前からで、曲作りには1週間弱かかったという。
「飲んでいる中、地元のラーメン好きが集まった。コピーバンド大会が行われるということで、そのオープニングアクトで何かやろうというところから始まった」とMC吾衛門さん。「自分の好きな八王子のラーメン店を題材に、その熱い気持ちをラップにした」と話し、「店とは関係なく勝手にやっているもの。あくまでもポジティブなバイブズなので、ハッピーなものになった」。MCとん八さんも「地元に対する思いはものすごく強い」と話す。
京王八王子駅近くに店を構え、昨年、33年の歴史に幕を下ろした「ラーメン御殿」の名を背負う、リーダーのMC御殿さんは「御殿は実家から徒歩数十秒の距離にある老舗で、人生で初めて食べたラーメン。私の描くラーメンの定義は御殿そのもの」と話す。
「安くてボリューミーなラーメンに加え、名物の雑炊や手作りギョーザも人気で、学生やサラリーマン、家族連れなどでにぎわいを見せていた。最終日は会社を休んで訪問し、私が最後の食券を買った客になった。食べ終わった後は心に大きな穴が空いたような感覚になり、実家に帰っても御殿ののれんを見れなくなることに涙がこみ上げてきた」と店へ思いを話し、「店を受け継いだ若夫婦が機会があったらやりたいとおっしゃっていたこともあり、代弁するつもりでラップでは『再起するぜ絶対に』という歌詞で締めた」とも。
それぞれ本業がある中での活動だが、「やってみて面白かった」とMC吾衛門さん。今後は個人活動が中心になっていくというが、ラーメンに合わせて「基本的にはノールール。丼の中に収まっていればいい」と笑う。