薫製の加工場「けむりの」(八王子市小門町)が6月上旬に稼働を始め、通信販売でオリジナル商品の販売を始めた。
古民家ダイニング「となりわ」(横山町)を手掛けるグッドネイバー(横山町)の藤田佳久さんがプロデュースする「けむりの」。薫製の加工からプロダクトデザインまでを一括で手掛ける。
「けむりの」ブランドの第1弾商品として、都内唯一のしょうゆ工場である近藤醸造(あきる野市)のしょうゆ「キッコーゴ」を薫製にした「燻製しょうゆ」(780円)や「燻製オリーブオイル」(レギュラー=1,680円)、ナッツやハーブ、クミンなどと中東のスパイス「デュカ」をブレンドした「香草燻製塩」(680円)などさまざまな調味料に加え、生コショウをオイル漬けした「生緑胡椒(コショウ)オリーブオイル漬け」(1,780円)、「食べるオリーブオイル」(980円)、スモークミックスナッツ(680円)などさまざまな商品を展開。通販サイトのほか、「となりわ」でも販売している。
過去には薫製をメインとした飲食店も手掛けていた藤田さん。一部ナッツなどはテークアウトの形で提供していたが、「お客さまから友だちに贈りたいと言われていた。やりたいとは思っていたが飲食店とは必要な許可が違うこともありできなかった」。今回は焼き肉店だった場所を改装し工場として整備。「昨年の8月くらいから場所を探し始め、3月くらいから準備を進めてきた」という。
少量から生産できることに加え、パッケージを含めてトータルで製品をデザインできることが強み。「八王子の手土産と言われると商品としていくつもあるが、ブランディングには課題があると思っていた」と藤田さん。「まずは『けむりの』というブランドを定着させたい。手に持ったときにかわいいと思っていただき、人にあげたいとも思えるようギフトとして映えるところに力を入れた」と話し、「薫製は毎日仕込むことはないので、止まっているときには、ほかの飲食店とオリジナルの商品を作るなど工場のシェアのようなこともできるといいかも」とも。
今夏には工場に直売店を開設するほか、今秋以降に新商品も投入する予定。個人向け販売にとどまらず飲食店などへの業販なども進めていく方針。「『旅する薫製屋』としていろいろなところに行ってもみたい」と藤田さん。異業種とのコラボも狙っており、「ダブルネームのギフトのような形で、キャンプのアイテムを作っている方やTシャツを作っている方などとコラボしていくこともやってみたい。八王子発信で広げていければ」と意気込む。