八王子市が2月6日、防災行政無線の放送内容を音声で確認できるスマートフォンアプリの導入など、2020年度予算案を発表した。
石森孝志八王子市長によると、新年度の予算規模は、一般会計が前年度から5.1%少ない2,009億円、予算総額も前年度より1.4%減り4,097億円となった。
同アプリは昨秋の台風19号襲来の際、豪雨の中では音声が聞き取りにくいなどの声があったことから、避難情報などを確実に伝達する体制を整備しようと市が独自に導入するもの。郵便番号を基に登録できるようにし、音声で情報をプッシュ配信するという。このために789万円の予算を計上した。
JR八王子駅から延びるペデストリアンデッキ「マルベリーブリッジ」の西放射線通り商店街(ユーロード)通り側への延伸や、愛称が「東京フットボールセンター八王子富士森競技場」となる富士森公園陸上競技場(八王子市台町)など今年は改修工事などを終えた施設のオープンが続く。7月には中町に休憩スペースやパウダールーム、授乳スペースやベビーベッドなどを備えた「(仮称)中町休憩施設」も開設する予定。
高尾駅北口駅前で整備が進められている広場は、今後、バスロータリーに設置されている転車台の撤去などを行った上で、10月に供用を開始する方針。同駅については南北自由通路の整備や橋上駅化を進めることになっているが、新年度予算に具体的なものは組み込まれなかった。市の担当者は「JRと協議を行っている最中。早めに進めたい」と話す。
東京オリンピック・パラリンピック関連では、大会期間中、市内各所でライブビューイングを行うほか、東京造形大学とのコラボによるアートプロジェクトなどさまざまな事業を展開。大会終了後の11月には親子を対象に「(仮称)はちりんピック」も開催するという。
そのほか、多摩地域初となる「幼児教育・保育センター」の設置や、妊娠期から就学前の子どもを持つ世帯を対象とした「パパ・ママ子育て応援サイト・アプリ」の提供など子育て政策も数多く打ち出したほか、京王八王子駅周辺に15歳~30歳を対象とした「若者総合相談窓口」を開設することも明らかにした。
1月の選挙で再選し、3期目に入った石森市長。「市長3期目のスタートとなる年。これまでの2期、8年は『攻めのまちづくり』を政治信条に活力ある魅力あふれる街を目指し、積極的な市政運営を行ってきた。これまで積み上げてきた実績をさらに深化、発展させ、持続可能な成熟都市・八王子を目指すための予算として編成した」と話す。