八王子学園八王子高校(八王子市台町4)の吹奏楽部が8月29日、府中の森芸術劇場(府中市)で行う演奏会の模様をユーチューブで配信する。
同校と東海大学菅生高校(あきる野市)、東海大学付属高輪台高校(港区)の各校吹奏楽部が同館どりーむホールに一堂に集まり行う「ジョイントコンサート2020 in 府中」の模様を、それぞれのユーチューブチャンネルで配信する。八王子高校はトップで登場する。
八王子高校吹奏楽部は1973(昭和48)年創部。「歌って、踊って、演奏できるバンド」をモットーに掲げており、昨年11月に開催された「全日本高等学校吹奏楽大会 in 横浜」では連盟会長賞を受賞した。
今回は、クロード・トーマス・スミスによる楽曲「Festival Variations(フェスティバル・バリエーションズ)」などを演奏する予定。未出版楽曲や「八学Beeeet!!」と題したオリジナル楽曲もラインアップする。同部のマスコットキャラクター「はちおうじ君」も登場する予定という。
3月に開催予定だった定期演奏会が延期の上、中止になるなど新型コロナウイルス感染拡大は同部の活動にも大きな影響を与えた。休校期間中は部員による演奏動画をユーチューブに投稿する「おうちで部活プロジェクト」を展開。動画は生徒が自ら制作したという。
コーチの竹川さんは「いろいろなグループに分かれて活動した。各チーム工夫を凝らして作品作りに励み、27作品を配信することができた」と振り返る。「休校期間中、LINEなどの連絡ツールを使って、日々コミュニケーションを取った。自分たちから楽しむエネルギーを放出し、まずは自分たちが前向きな気持ちを持ち、日本に元気を届けたいという思いで、心を支え合いながら駆け抜けた」とも。その後、7月には卒業生をあらためて送り出そうと定期演奏会を非公開で開催。その模様もユーチューブで公開した。
6月の休校明け後は、分散登校の中、新入生の勧誘に奔走。「例年は昼休みに教室を回って演奏したり、コンサートを開いて部員の勧誘をしたりしていたが、それもできなかった」と竹川さん。「部活紹介の動画や定番で演奏する楽曲の演奏動画、その楽譜を読み取れるQRコードを掲載したチラシを各教室に貼って勧誘した」と明かす。
現在は1年生48人を含む、約150人が所属。練習の際は、こまめな換気や手指消毒の徹底、ソーシャルディスタンスの確保など感染対策に気を配っている。合奏は人数を限定しており、教室を分けて練習するなどしているため、「部員全員での合奏練習はいまだかなっていない」とも。
本年度は「みんなで心を一つに、一心。みんなで前に向かって、一進。さらに良い部活へ、一新」という思いから「一心」を目標にしている。「学校が休校になったり、コンクールが中止になったりと、しばらくは頭では理解はできても、心では納得できず、受け入れにくく、もどかしい思いをした。でもそれは全国、全世界のみんなが一緒。『新しい年』となった今年は今だからこそできることに向き合い、みんなで前を向こうと決意した」と話す。
今回の演奏会について、「私たちのこの夏の成果と思いを、今は画面上になってしまうが、全力でお届けしたい。今できることに全力で向き合い、全力で駆け抜けた先にある景色は、きっと輝かしい未来しかないはず。そんな未来を信じて、今を過ごす私たちの活動が、将来のかけがえのない宝物になるようこれからも努めて進んでいく」とした上で、「市民の皆さまにはぜひ八学吹部のアカウントからご視聴いただきたい。熱々な八王子愛で、楽しい時間をご一緒させていただけたら」と呼び掛ける。
配信開始は17時15分。開演は17時30分。