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イーアス高尾前に「食券スパゲテイー 熊三」 コロナ禍踏まえ、飲食店2店が協働

店内の様子

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 大型商業施設「iias(イーアス)高尾」向かいに4月1日、「食券スパゲテイー 熊三」(八王子市東浅川町)がオープンした。

カウンター席も用意

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 JR高尾駅から徒歩10分の場所にオープンした同店。席数はカウンター、テーブルを合わせて13席。新型コロナウイルスへの感染対策として席間を広げるなど対策を取っているため、席数は減らしているという。「ゴロッと牛ホホ肉のボロネーゼ」(1,200円)、「濃厚 海老味噌(えびみそ)トマトクリームソース」(900円)、「たらこスペシャル」(800円)などさまざまなスパゲティやパスタを提供している。入り口に置かれた食券機で食券を購入し、出来上がった料理を「受け取り口」で受け取って、空いている席に自ら運ぶセルフサービスのスタイルを取る。

 同所は2019年夏までブックカフェ「mihara kitchen&books(ミハラキッチンアンドブックス)」として営業。その後、約1年半は定食などを提供する「クマキッチン」として展開していた。現在は別の場所で営む「ミハラキッチン」と手を組む形で年明け以降準備を進め、今回、新業態の店として立ち上げた。

 店長の大熊和宏さんは「もともと知り合いのミハラキッチンの2人がやられていたところに私が居抜きで入った。2人は北口に移動され、全く別の形でやっていたのだが、こういう世の中になったこともあり、一緒にやろうと話がまとまった。業態も2つの店でやっていたこととは違うパスタ店という形で動きだした」と話す。ミハラキッチン代表の菅原由紀子さんも「コロナ禍になり、酒を出す店からシフトしていくことにした」と説明する。

 食券方式を導入したことについて、料理長の相川雅代さんは「立ち食いそば屋のように気軽に入って、ぱっと食べて帰るようなことをやりたかった。非接触ということにもなるし、そういう時代なのかなと思った」と話す。人件費などを抑える効果もあるという。

 市内で無農薬栽培をしている農家から毎朝届く野菜を使って調理をするなどこだわっており、週1回程度のペースで新たなメニューを入れるなど工夫しているという。「食券だし安くしているので、簡単なものを提供しているイメージがあるかもしれないが、仕込みには時間をかけているし、食べれば手が込んでいると思っていただけると思う。そのギャップを狙っている」とも。「コロナによってスタイルは変わったが、お客さまも生産者もわれわれもハッピーになる仕組みはとても良い」とも。

 ブックカフェだったため店内の壁には本棚が作り付けられており、さまざまなジャンルの本が並んでいる。客層はファミリー層が中心だが、平日はビジネスマンの利用も多いという。大熊さんは「個店はちょっと入りづらい雰囲気のところもあるが、ここは初めて来るお客さまでも気兼ねなく入れる店を目指している。店の雰囲気は家族で来ていただけるアットホームなものになっている。お客さまの年齢層などにこだわりはないので、全年齢の方に楽しんでいただけるような店にしたい」と話す。今後はミハラキッチンで作ってきたものを提供する形での朝営業や自家製のパスタソースなどを軸とした物販、イベントへの出展なども狙う。「店頭に来て食べていただくのはもちろん、家に帰った後も店の味を楽しんでもらえるようにしたい」と話す。

 現在は緊急事態宣言期間中ということもあり、ランチのみの時短営業となっている。「昼はパスタ中心のメニューになるが、夜まで営業できるようになれば、いろいろなものを出していきたい」と大熊さん。菅原さんは「ミハラキッチンやクマキッチンを知っている人でも知らない人でも、今は違う形でやっているので、来ていただきたい。街に愛される店になれば」と期待を込める。

 営業時間は11時~14時。水曜定休。

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