東京ガスイズミエナジー(杉並区)と東京ガスネットワーク(港区)は防災備蓄品を活用して、八王子市やフードバンク八王子(八王子市中町)などに食料品などを贈った。6月30日には寄贈式が行われた。
東京ガスイズミエナジーは、ガス機器の営業や修理、点検、東京ガスに関わるカスタマーサービス、住まいの相談などを手がける東京ガスライフバル八王子(明神町)などを運営する企業。東京ガスネットワークは、東京ガスのガス導管事業や都市ガス供給事業などを継承し、4月に営業を始めた。
東京ガスイズミエナジーは、2月に防災対策のために用意している食料品など備蓄品の入れ替えに合わせ、水や食料、トイレパック、防災シートなど162セットを市に寄贈した。市は窓口に来る生活困窮者の支援に活用しているという。同社の動きを受け、東京ガスネットワークも5月に816食分の缶入りパン、510食分の野菜ジュースを市内のフードバンク団体に贈った。
当日は東京ガスイズミエナジーの石坂正志八王子事業本部長と東京ガスネットワークの岡村優子東京西支店長がそれぞれ石森孝志八王子市長に目録を手渡した。石森市長はそれぞれに感謝状を贈った。
石坂さんは今回の寄贈について、処分することになる備蓄品を「このような形で役立ててもらえることをうれしく思っている。こういうところでも地域貢献できたと実感を持った」と話す。岡村さんも「地域の皆さんと課題解決に取り組む『共創』の提案ができないかと活動している中、ちょうど入れ替え時期にあった備蓄品を受け取ってもらえることは非常にありがたい。まさにやりたい『共創』の一つであるかと思う」と評価する。
フードバンク八王子の川久保美紀子さんは「市内の企業の方が私たちの活動を支えてくれるのは本当に心強い。八王子の粋な大人が子どもたちを支えることが私の理想。市内にこういった輪が広がっていったらいい」と期待を込める。
石森市長は「生活に困窮されている市民に向けて備蓄品の寄付を頂き誠にありがたい。長引くコロナ禍によって、困窮されている方からの相談は高止まりの状況にある。ここにきて物価が高騰しているという状況にもある。国や東京都と連携を取りながら市民の暮らしを守っていければ」と話す。