八王子に工場を持つ佐久間製菓(豊島区)が廃業するとの情報を11月9日、企業信用調査会社「東京商工リサーチ」(千代田区)が公開し、八王子で話題となっている。
1908(明治41)年創業の同社。終戦後の1948(昭和23)年に商号を「佐久間製菓」とし、1969(昭和44)年、八王子に菓子製造工場を設立した。現在も東浅川町に工場を持ち、缶入りあめ「サクマ式ドロップス」などの商品を製造している。「サクマドロップス」「いちごみるく」を製造・販売するサクマ製菓(目黒区)は別会社となる。
東京商工リサーチは今月9日、佐久間製菓が来年1月に廃業すると取引先に知らせたことを明らかにした。同日、八王子経済新聞記者が八王子の工場を訪れたところ、廃業を知らせる張り紙などは確認できなかった。
近年は「メード・イン・八王子」のキャッチフレーズを掲げ、地元を発信する商品の開発を手がけてきた同社。「八王子パッションフルーツ生産組合」とコラボし、八王子産パッションフルーツを使って開発した「八王子キャンディ」に加え、9月には「みつばちファーム」(あきる野市)が八王子市内で採集した蜂蜜を使った「八王子はちみつのど飴」も販売していた。
同社の廃業報道を受け、ツイッターには「残念なニュース」「なくなるなんて寂しい」「まさか潰れるとは思わなかった」といったコメントに加え、「佐久間製菓といえば八王子キャンディでしょ」「八王子キャンディが買えなくなっちゃう」「八王子キャンディはどうなるの?」(以上、原文ママ)など、八王子オリジナル商品の今後を気にする書き込みが寄せられている。