八王子在住の塩越和子さんが3月28日、八王子駅前にある西放射線通り商店街(ユーロード)沿いの写真をインスタグラムに毎日投稿し始めて802日がたった。
スマートフォンを使い、ユーロードの風景を日々撮影している塩越さん
2021年1月16日にインスタグラムのアカウント「八王子西放射線ユーロードの風景」を開設し、撮影したユーロードの様子を毎日投稿している塩越さん。「802」が八王子を意味する数字の語呂合わせになることから、当日は夜のユーロードの風景に合わせて、「本日で投稿数が802(八王子)になりました」(原文ママ)と投稿した。
現在、同アカウントは1600人以上がフォローしている。これまで誰が運営しているかは明かしておらず、塩越さんは「商店会の人などに話はしてあったが、誰にも言わずにやってきた。ソロプロジェクトとしてずっと撮り続けてきたが、みんなにこういうことをやっていると知ってもらいたいと思った」と話す。
10年前に友人と毎日写真を投稿したら面白いのではないかと話題になり、いつかやってみたいと思っていたという。コロナ禍になり、ユーロードを会場としたイベントが開かれなくなった際、「あれだけ活気ある街が灰色になってしまった。イベントがなくなって中心市街地では何をやっているのと聞かれることも多くなった。その時、『365日に写真をアップするという話を飲み屋でしていたな』と思い出した」と塩越さん。
「ユーロードをフラフラしていたら、電線がなくて空がきれいだなと初めて思った。今まで気づかなかったことが見えるようになった。イベントが止まってユーロードに来ることはできなくなってしまったが、ユーロードは生きているし動いていることを発信し、コロナ禍が明けてイベントが再開したら、この街に行ってみたいと思ってもらえるきっかけができたらいいなと思い始めた」とも。
スマートフォンを使い自分の目線と同じ高さで写真を撮ることにこだわっている。投稿したものの中には2万回以上閲覧された写真もあるという。「自分が見ている視点で撮りたい。日常生活から見ているラインで街の魅力を見てもらいたくて、ひたすら撮り続けている。被写体に困ることもあるが、日差しの具合などがちょっとずつ違っていて意外と良い」と塩越さん。
写真は今後も撮り続け、インスタグラムに掲載したものをまとめた写真展の開催などの夢も持っている。塩越さんは「ユーロードを巻き込んで、地域おこしにつながるようなことをやりたい。興味を持ってもらうことで街は勝手に盛り上がると思うので、楽しい街であることを知ってもらいたい。にぎやかな活気あるユーロードに戻したい」と意気込む。