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南大沢の都有地、三井不動産が事業予定者に アウトレット継続、建て替えも

既存建物をそのまま利用し営業を続けるとしている「A画地」

既存建物をそのまま利用し営業を続けるとしている「A画地」

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 東京都が6月17日、大型商業施設「三井アウトレットパーク多摩南大沢」(八王子市南大沢)の定期借地契約終了を受けた「南大沢駅北側都有地活用事業」の事業予定者として、三井不動産(中央区)を選定した。

建て替えるとしている「B画地」

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 南大沢駅と東京都立大学の間にある都有地については、2000(平成12)年9月、三井不動産が同施設を開業した。当初は2015(平成27)年11月末までの15年間の定期借地事業だったが、その後、契約を2025年11月30日まで延長していた。

 2025年に延長契約が終了することを受け、都は5月に同所の活用を検討している事業者からの提案を公募型プロポーザル方式で受け付けた。都は1社から応募があったとしている。

 AからCの3区画に分けた約4万7540平方メートルの敷地について、同社は既存施設であるアウトレットの活用をベースとする「にぎわいの継続&発展 ~さあ、南大沢から未来をかえよう~」と題した提案を行い、今回、審査委員会が事業者として選定した。

 現在、「ファクトリーアウトレッツ『A街区』」となっている「A画地」は、既存の建物をそのまま利用し営業を続ける。スーパー「サカガミ グランルパ」などがある「B画地」は、建物を建て替えた後、出店者数を増やすほか、フードコートなどを新たに設置する。平面駐車場となっている「C画地」はそのまま利用する。

 都は選定結果の中で、「A画地は既存施設を利用し、にぎわいを継続するとともに、B画地は建て替えることで、店舗数を大幅に拡大することに加え、フードコートやイベントスペースを新たに設置し、地域のコミュニティーにも開放するほか、スポーツ、エンターテインメントコンテンツを活用したイベントにより学生などの新たな顧客層を取り込むとしている点が、魅力的な商業施設などの整備として評価された」と説明する。

 都は昨年3月に策定した「南大沢駅周辺地区まちづくり方針」などを受け、にぎわい創出のためのイベントの実施、備蓄倉庫の整備や地域での防犯訓練、樹木や花壇などの維持管理などの「エリアマネジメント活動」も行うよう求めている。

 施設の運営期間は30年間。同社が提案した貸付料は月額5,752万1,040円。本年度中に基本協定を締結し、2025年度に事業用定期借地権設定契約の締結と「B画地」の着工、2027年度に工事完了を目指す。

 同所については、初宿(しやけ)和夫八王子市長が1月29日、市長就任時の記者会見で「2025年問題」と称して、「定期借地契約が切れた後、にぎわいが一時でも消えることがないような取り組みを都にしてもらえるようパイプ役の役割を果たしていかなければいけない」と話していた。

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