
企画展「クマ -かわいい? こわい?- 『知る』という選択」が9月17日、多摩森林科学園「森の科学館」(八王子市廿里町)で始まった。
高尾駅北口から徒歩約10分、バスで約3分の場所にあり、国立研究開発法人「森林研究・整備機構森林総合研究所」(茨城県つくば市)の研究施設として知られる同園。園内に設けた「森の科学館」は、森林にまつわる研究成果を紹介するため標本などを展示するほか、さまざまな講座を開いている。
今回の企画展では、野生動物としてのクマの生態や人とのかかわりを紹介する。野生動物写真家の佐藤嘉宏さんが撮影した写真、イラストレーター・柏木牧子さんの絵本「信州版 森の子クマの子」の原画、全身骨格標本や毛皮、足形などの展示、体験プログラムを展開する。同施設の広報担当者は「子どもから大人まで楽しく知ることができるプログラムを用意した」と話す。
期間中、ツキノワグマをテーマにしたかるたや、クマを題材にした紙芝居、スタンプラリーなどの企画を展開する事前申込制のイベント「ことばであそぶ、クマとまなぶ」を行う。開催日は、10月4日・11月1日・11月22日。各日10時、14時の2回開催。参加無料(要事前申し込み)。定員は各回先着10人。
10月25日は「クマ講座」を開催する。多摩森林科学園主任研究員の岡輝樹さんが「クマを知る、という選択」、森林総合研究所東北支所の大西尚樹さんが「東京都にもクマがいる!? どうして街にクマがでる?」、佐藤さんが「~森に生きる~ ツキノワグマの暮らし」と題して講演を行う。参加申込は既に締め切っている。
同園は1921(大正10)年に「宮内省帝室林野管理局林業試験場」として発足し、1988(昭和63)年に現在の名称となった。サクラの遺伝子を保存する目的で「サクラ保存林」が設けられていることでも知られる。
開園時間は9時30分~16時。月曜休館。「森の科学館」のみの見学無料。11月30日まで。