
「日本一小規模なパンの祭典!八王子一坪パンまつり」が10月9日、八王子駅北口のチャレンジショップ「はちチャレ」(八王子市旭町)で始まる。
2017(平成29)年から年2回のペースで開いている同イベント。5月以来の開催で、今回で15回目を迎える。
今回は7日間にわたって開催する。出店者は、9日=「ウズベキスタンワインショップ キャラバン」(杉並区)、10日=「Deep Forest 高尾店」(八王子市東浅川)、11日=「パン工房ボンシュシュ」(横山町)、12日=「kichijojiみちの駅」(武蔵野市)、13日=本イベント初出店の「デニッシュのお店 ISSIN」(埼玉県入間市)、14日=相模原市・藤野を中心に実店舗を持たず活動する「藤野ベーグル工房」、15日=「Yショップ ippuku」(八王子市旭町)。
社会福祉法人「SHIP」(あきる野市)が運営する「パン工房ボンシュシュ」は、イベントに合わせて開発したパン「栗あんバター」販売のほか、先着50人に2個入り甘食配布を予定する。「SHIP」スタッフの渥美良二さんは「『栗あんバター』は塩パンをベースとして、北海道産の粒あんと旬の生栗を混ぜたものの上に発酵バターを乗せる。カボチャを使ったカレーパンも開発中」と話す。
「毎回、『挑戦』をテーマに参加させていただいている。『一坪パンまつり』はホームグラウンドを離れて、1日だけ店を間借りするようなもの。いろいろな発想が生まれるし、外れることもある。店に持ち帰って、ブラッシュアップするなど生かすことができるので、とても良い。このイベントを通してすごく成長できた」と渥美さん。
藤野ベーグル工房は当日、栗の渋皮煮を使ったベーグルを販売する予定。煮崩れた栗は生地に使うほか、栗を煮た際の煮汁も八王子の織物作家が染色に活用するなどエコフレンドリーな商品になるという。同店の戸澤淳さんは「全体で秋を感じられる商品になる。一人で全部をやっているので、作れる量は体力の限界との挑戦になる」と話す。
同イベントを企画し運営する賀澤志帆さんは「15回目は節目の一つ。出店者の皆さんと買いに来てくれる皆さん、地域の皆さんなどかかわっていただいている皆さんのおかげで毎回できていると思っているし、回を重ねることでかかわっていただく人もどんどん増えて今に至っている」と話す。
売り上げの一部は八王子市社会福祉協議会に寄付するほか、就労支援機関「八王子若者サポートステーション」(東町)と提携した取り組みも行う。協賛金の一部を使って主催者がパンを購入し、八王子市内のフードバンク団体に寄付する取り組みも行う。賀澤さんは「八王子という地域の名前をもらっているイベントなので、地域に還元できたり、困っている人の役に立てたりできたら」と話す。
8年にわたりイベントを続けたこともあって、さまざまなパン店からイベントへの参加希望の声が届くという。「八王子以外のパン店も出店してくれるようになり、店に見つけてもらえるようなイベントに育てることができたことはうれしい。とても小さなイベントだが、出たいと言ってもらえるようになったことには胸が熱くなる」と賀澤さん。
開催時間は10時~商品がなくなり次第。